どれほどの時間を共に歩いただろう
僕が忘れかけた約束で
君は胸を慰めていたらしい
どれほどの負荷を愛にかけただろう
君が捨てかけた過去を
僕は次々に拾っていたらしい

やっと撫でてくれる人に出会ったと思えば
何かと自分に縋ってくる弱い心で 叩いてごめんな
今まで好きか嫌いかさえどうでも良かったのに
本当の気持ちに気付かせてしまって 君へ ごめんな

君が居るからか この世界は
とても窮屈に見えていたのか
それとも僕が この世界を
そう思ってしまいたかったのか
自問自答したとしても意味のないことを
何度も何度も真っ暗な夜に問いかけた

どれほどの距離をこれから走るだろう
僕が傷付けた瘡蓋は
時々涙で剥がれていたらしい
どれほどの意味を愛に持たせただろう
君が支えてくれた弱さを
僕は強さだと履き違えていたらしい

やっと癒してくれる人に出会えたと思えば
何かと自分に酔っている変な心で 貶してごめんな
今までお互いの全てを分かったつもりでいたのに
本音の言葉に聞かせてしまって 君へ ごめんな

君が居なければ この世界は
どんな風に見えるのか 
初めての淡い あの感情を
もう忘れてしまっていたからか
これから先に君が優しい誰かと出会った後も
もう少しもう少し僕は一人で歩いてみるよ

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-01-30

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