imi to iiwake

嗄鳥鳴夏

帰り道すがら、
何かしらのイミを探してた。
あの時、一瞬だけ話しかけてみた人
優しかったな。
それに比べて、
ずっとそばに居ると思ってた、
君は夜明け頃、猫みたいに何処かへ逃げた。
素早かったな。

どうして生きているの?って
何遍も聞いたけれど教えてくれなかった。
言葉が理解できないんだと思って
それ以上名前を呼びもしなかった。
でも頭と心の端で信じてた。

爽やかな世界に憧れていたけれど
気付けば泥沼にハマってたかもね。
知らないだけで手を差し伸べてくれた人も
居たかもしれない。でもね、
結局、自力で抜け出してみたけれど
不思議と、景色は変わらなかった。

寄り道しながら、
何かしらのイイワケをしてた。
あの時、一回だけ嘘をついた僕
正しかったかな。
君に比べたら、
随分マシだったと思うんだ。
僕が夜明け頃、飼い主みたいに追いかけていたら、
いや、違うよな。

どこが好きなの?って
何遍聞いても全部だとしか言わなかった。
今考えれば少しでも変わってしまったら
嫌いになるってことだったのかな。
でも、僕と君の月日を信じてた。

爽やかな世界は続いているけれど
今度は誰かがそこに居るんだね。
言わないだけで手を差し伸べてくれた人も
居たかもしれない。でもね、
全部、涙になって流れていくから
そこで幸せならば僕はもう良いんだ。

青色の空気だけを吸って
二度とは会えない君の事を想った草原で
一人じゃ不安だから、誰かのそばに居れたら。

imi to iiwake

imi to iiwake

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
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