スポーツ

 旗を掲げるときがやってきた
 あらゆる人種を飲み込んで
 あらゆる性格も厭わない
 透明な国の旗を掲げるときだ

 権威も扇情も必要ない
 スポーツ
 記録されることはなく記憶されるばかりの
 スポーツ
 大人も子供も皆等しく白線に並ぶ
 スポーツ
 そんなスポーツを演じられる国は人知れぬ里にある

 企図されて初めて進行していく時代は
 目に見えぬ何かを打ち壊し
 同時に目に見えない何かを生み出した
 記録と時間に概念や生活
 その国は規格から外れた人間で構成される

 今は人知れぬ里にあるその国は
 いずれ七つの海を制覇するだろうか
 いつか権威となってしまうだろうか
 人間がその肉体を捨てぬ限り
 その肉体を美しいと思える限り
 スポーツは衰えることなく続いていく

 全ては物事の裏表
 打ち壊すべきは打ち壊し
 生み出すべきは生み出し
 その先に待つものは
 太陽系の破裂だろうか
 ならば今を懸命に生きるのみ
 そのために必要なものこそ
 我らのスポーツ

スポーツ

スポーツ

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-07-03

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted