色褪せた言葉

 露出せる太陽の右頬に
 参集するは夜の眷属
 紅の巫女の襟元は
 乳房の香りの禁忌
 雀躍せしめる赫々たる鼠たちは
 冷暗の地で舞踏を重ねる
 雪景色を踏みしめるゲートルの
 足跡だけがいやに薄く
 緑の萌える朝焼けに
 夢を託して再び眠る

 色彩を積み重ねた末に
 ひどく色褪せた言葉だけが横たわる
 生きる言葉は
 全て無常だ

色褪せた言葉

色褪せた言葉

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-02-10

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted