優しさ嫌い

付き纏う、人付き合いの煩わしさ。

私は、人付き合いが苦手なんです。
ですが、そんなこと言って弾かれるのも、めんどくさいものです。
スムーズに済むことが、この煩わしさを処理しないでいると、済まないのです。
例えるなら、数ヶ月ゴミを出さないでいると部屋が狭くなり、急いでる時でも、部屋から出るのに苦労する。そんな感じです。
だから、ゴミを出すのと同じように、人と付き合うのです。

私の親切心は大量生産出来ます。他人は私を善人扱いします。
低コストなので、実は粗悪品です。
だから善人なんて大いなる誤解です。付き合ってみれば、わかりますが、その場限りのものなので、
安く大量に作り出します。

世の中等価交換が基本です。私はこのように気が小さいので、こういったルールに縛られがちなのです。

だから、他人から勿体無いくらいの親切心を頂いた日には、パニックになります。
ガラス細工のようで、とても高価で美しいものを頂くのです。
困ってしまいます。これにお返しをするために身を削りました。必死に削りました。
世間のルールに従わない者の末路を知っているので、私は必死にお返しをしました。

ある日、また大層高価な親切心を頂きました。勿論先方は意地悪でやっているのではありません。だから高価になるのです。この親切心というものは、相手が無意識であればあるほど、値段が跳ね上がってしまうのです。とても困ります。
私は貧乏なのです。

また、私は身を削りました。他に用意出来るものが無いので、無理をするしかないのです。
すると、その人は、またしても豪華絢爛な親切心を渡してきました。
困りました。その人に近付きたくなくなりました。私は、もう骨に達した身をさらに削り、足りないぶんは、骨までつけて、返しました。

無一文になってしまいました。
なんて煩わしいのだろうか。

すると、今度は別な人に眩く輝く、親切心を渡されました。
私は、無一文でありながら、プライドだけは高かったので、施しを受けるのも癪でした。

なので、その親切心をつき返しました。
お支払い出来ないからいらないと言ったのです。
すると、その親切心が、地面に落ちて粉々になりました。

周囲から白い目を向けられました。
困りました。弁償出来ません。

その人は、気にしていないようでした。それにより私の弁償額が跳ね上がりました。

私は泣いて叫んで、走り去りました。
この日から、ゴミ出しをしなくなり、そのまま埋もれて、私は誰とも会わなくなりました。

私に関する全ても物事が頓挫しても、あのような怖い思い、二度としたくありませんでした。

優しさ嫌い

優しさ嫌い

人付き合いが苦手な主人公。 内心では世間を皮肉っていながらも、 律儀にルールに従って、そして縛られていく。

  • 小説
  • 掌編
  • 青春
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-10-01

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