女児虐待事件に思う

 今年あった事件である。
その女児は毎日が不幸だった。
幼い子供ならまずママとおやつと遊びが大好きなのに、父親の罵声、暴力に震え、夫婦喧嘩に悲しみながら身を小さくしていた。
自分が良い子になればパパ(継父)はママを叱らないと思い、パパに気を使って言いつけられた通りに朝4時起きして字と数の勉強をした。躾もされて、それが出来ないとパパに殴られ、食事もろくに与えられなかった。顔の傷が増え、体が衰弱しても、母親は夫の暴力が自分に向かうので口出しできなかった。このような家庭で5年の短い生涯を終えた船戸結愛(ゆあ)ちゃんが書いたというメモは人々の涙を誘い、怒りを巻き起こした。何の落ち度も無い、いたいけな子供をここまで追い詰めていいものかと。
 ママ もうパパとママにいわれなくても
 しっかりじぶんから きょうよりか
 あしたはもっともっと できるようにするから
 もうおねがい ゆるして ゆるしてください
 おねがいします
 ほんとうにもう おなじことはしません ゆるして
 きのうまでぜんぜんできてなかったこと
 これまでまいにちやってきたことを なおします
 これまでどんだけあほみたいにあそんだか
 あそぶってあほみたいだからやめる
 もうぜったいぜったい やらないからね
 ぜったい やくそくします
この子の名前「結愛」から想像すれば生まれた時は幸せな家庭であったろうに、どうしてこんな事になったのか。
離婚の原因も、再婚の理由も様々ある。誰が見ても妥当であれば問題ないが、自己中心的に夫以外の男に心を寄せたり、妻以外の女に夢中になった結果なら問題だ。家庭は壊れ、家族は悲しむ。相手側の出方やこちら側の状況次第では命を落とす者も出る。
私は親の勝手な都合で犠牲となる子供が一番可哀想に思う。結愛ちゃんの初めのパパ(実父)は一家を守れないライオンだった。ママにも事情があったのだろうが、少なくとも子供に暗い影を投げかけて、辛い思いをさせる事だけは避けて欲しかった。後から来たパパ(継父)は自分の子でないと殺してしまうオスライオンだった。
 私は思う。親ならば、子が成人して、独立するまでは人間としての責任を果たして欲しい。強くて優しい立派なライオンは一家を守れる。安易な離婚、再婚も無いから子供は安心して育つ。私は家庭を壊してまで価値のあるものなど人間社会には無いと思っている。
天から授かった子宝を鎹(かすがい)として、どんな困難も二人で乗り切ることにこそ生きる喜び、生きる意味があると思う。その様な多くの家庭には「青い鳥」が舞う。反対に、浅はかな考えで毎日を送る一部の家庭では「ハゲタカ」が隙を狙う。パパとママに二度も切り捨てられた結愛ちゃんは可哀想な子だった。何とか救えなかったか。 2018/9/20

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