風に吹かれた花

放課後か
今日も終わりだ
誰も居ない廊下に独り
教室と席と机を見る
誰も居ない学校に独り
想像して青春を過ごす
帰りたくない

ふとぼやければ
目の前に君が来て言うんだ
どうしたのって
振り向きざまに僕は言うんだ
なんでもないよって
ふととぼければ
腕を掴み君が笑い言うんだ
嘘だよねって
振り解いて僕は言うんだ
知らないよって

確かに逃げてばっかだ
尊敬できる人を讃えたり
似たような仲間を探したり
出来ない人に哀れんだり
やるべきこともやらずに
やりたいこともやれずに

一日に追われてる
これでも精一杯なんです
キャパシティが足りなくてさ
呼吸する以外生きている
理由もなんて無くてさ
言えないことも聞かずに
言いたいことも言えずに

駄目だ これじゃあ駄目だ
散っていく 花びらが散っていく
風に飛ばされていく
自由にふわふわと青空へ おかしいな 
僕と居たときより幸せそうな顔をしてる
君はそういう奴だったんだ

ふと家に帰れば
目の前に親が来て言うんだ
どうするのって
制服を脱いで僕は言うんだ
なんでもいいよって
ふととぼければ
下を向いてぽつり言うんだ
頑張ってねって
振り絞って僕は言うんだ
知らないよって

風に吹かれた花

風に吹かれた花

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-10-19

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted