観賞会の詩


きれいなもの
うつくしいもの
たくさん、たくさん
見たいと願った

きれいなもの
うつくしいもの
私が一生涯
たくさん、たくさん
見たとして

私の身体が
きれいになったり
うつくしくなったり
することは
ぜったいに無い

きれいなもの、うつくしいもの、
見ている私はきれいじゃない
感動している私は美しくない

それは、とても、安心なことだった
それは、とても、穏やかなことだった

きれいなものは
ただ、きれいなだけで
うつくしいものは
ただ、うつくしいだけで

ガラスケースの中で
絶対的な存在を守り抜いている
地球の上、1つの場所で、
孤高の存在を生き抜いている

境界線の向こう側から
醜い私に見られても
ビクともしない存在を
私は身を削りながら眺めていた

観賞会の詩

観賞会の詩

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-10-06

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