風が笑っている
太陽は怒っている
皆は泣いている
僕は
これまでに生きて
悟った全てを
言葉に乗せて
静かに口ずさむんだ

愛した人や
切ない日々や
巡る季節は
広大な台地の上で
終わりを迎えた
そしてまた始まりを告げた
鳥のさえずりの様に

最期までへの
残された時間の中で
何かを残したい
僕は
今までに歩いて
学んだ全てを
詩に乗せて
空に羽ばたかせるんだ

走馬灯が駆け巡る
頭の中に浮かぶ
諸行無常の儚き世へ
名無しの手紙を送る
二度とここには
戻ってこない様に

何万回目の
日常的な
あたりまえの今日の中で
僕は
明日には出来ないこと
昨日では出来なかったこと
今日にしか出来ないこと
考えるんだ

何兆回目の
命尽く
特別な今日の中で
僕は
君には出来ないこと
君では出来なかったこと
僕にしか出来なかったこと
思い出したんだ

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-09-21

Copyrighted
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