赤い雫

手首から流れていく
ぽたぽたと涙を流して

どうしたの誰かにいじめられたの
そうです 私に刃物で傷つけられました
このハンカチで止血しなさい
いいんです 私はこれを望んでいるんだから
いけません 一瞬の感情に身を任せて
死ぬ気など無いんだから生きるために
さあ 抑えなさい 呼吸を 興奮を 赤い雫を

涙腺から流れていく
自由のせせらぎになって

何か好きなことはあるのかな
無いです 世界に目を向けたくありません
そのスコープを外して見なさい
いいんです 私はこれを望んでいるんだから
いけませんとは言いません しかし
突き放したくもありません
生きる気があるのならば生きるために
僕の下へ来なさい 静かな公園で
のんびりと話をしましょう
僕は 君のためなら 死ねる 流せる 赤い雫を

赤い雫

赤い雫

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-09-15

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