Let's Go Crazy

吐露も開陳も告白も
全ては縁遠い身の上で
この黒々を晒すを避けてきたわけですが
いよいよそのときがきたのかもしれません
介錯なんぞは要らないし
ましてや解釈なども要らないわけで
晒す相手は今夜の月
この臓腑を照らして欲しいのです

ああ、こわい!
私がこわいのは腹をかっさばくことなどではなくて
その臓腑が本当に黒々としているかということで
もしも赤い血潮が噴き出した暁には
きっと私はそのまま死に至ってしまう
私が見たいのはその裏側などではなくて
あなたの正面なのであって
要するに私はそれとして認められたいのです

これは面白いことを言いやがる
幼子や動物や自然なんぞを相手に
つまり分別のつかない奴をつかまえて
臓腑を晒さんとするお前の浅ましさよ
どうせやるのなら人間を相手にやってしまえ
それが出来ないのなら鏡の前に立ってみろ
そらどうだ
ようやく分かったか
お前は綺麗な顔をしているよ

Let's Go Crazy

Let's Go Crazy

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-05-10

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