Twin drops

誰も居ないから特等席
春の風が頭を撫でて
ほのかに何かの始まりを覚えた
誰もいないのさ僕のベランダ
夏の風が頭を酔わせて
ほのかに死にたいと思った

知らない君が後ろから
僕の肩を叩いた
知らない君は僕のこと
よく知ってるそうだ
僕は何処か嬉しくて飛び降りた
君のその美しい手を引いて

僕も居ないし君も居ない
秋の風が頬に触れて
かすかに命の始まりを覚えた
塵が積もる誰かのベランダ
冬の風が影飛ばして
かすかに生きたいと思った

知らない君が後ろから
僕の肩を叩いた
のはなぜなのだろう
今なら分かる気がする
僕は何かを知りたくて見上げた
君のその美しい姿を求めて

Twin drops

Twin drops

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-04-06

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