嗄鳥鳴夏

壊れた頭に咲いた
一輪の黒い花は
始めは美しかった

永遠を結ぶ頚動脈に
黴が生え滞たから
急に愛は死んだ

舌を1mmずつ傷つけ
頬に口づけする時の
堪らない感覚

許された罪の宿命は
都合よく処理された
記憶との戦争

窓明かりに照らされた埃
無価値で役立たずの
僕に似ている

善悪の判断がつかない
弱者の的になる鬼
笑うのは今だけ

歯軋りするだけ自然は
神秘を取り戻して
人間に銃を向ける

狭隘な空間に閉ざされ
目隠しをさせられ
業火に炙られる

劇場では黙っている木が
悪知恵を働かせ
主人公を遮る

冷淡な目で被害者を拝み
灯油に溺れて
一家心中を図る

背筋に青い汗
前しか見ていない最中
誰かが見ている

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
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