指先は空へと

嗄鳥鳴夏

知らぬ間に濡れてた傘
亀に追い抜かれた兎よ
感情から苦悩までの愛情よ

聞かれて答えた所
焦り綻び傷ついた扉や
染みから過去を悟った部屋よ

擦れて荒い風景画
震え届けたラブレターや
絶えず鳴り止まぬサイレンよ

錆びて朽ちながら
磨き新しくなって
身長は伸びる

半端に姿を飾り
口元は微笑む
幸先は真実へと

太陽に手をかざした朝
君と座り月を眺めた夜や
誕生から昨日までの日常よ

打たれて自立した心
走り転び擦り剥いた膝や
風が汗を乾かした教室よ
           
掠れて捨てた万年筆
汚れ破いたカレンダーや
耐えず諦め終るマラソンよ

全てを一瞬で失い
次に生きる生命に
記憶を伝える

最期の準備が整い
目的地を聞かれる
指先は空へと

指先は空へと

指先は空へと

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
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