君が旋律

せんりつ
【旋律】
音の高低・長短の変化の連続した流れ。メロディー。

放課後の背後に
幻と写真を撮れば
突風が吹き僕を連れて行く

音楽室じゃ
眉を顰めた旋律を奏でれば
君は君らしくいられた気がした
視線に気付けば
君は制服を脱ぎ捨てて
傷だらけの裸足のまま逃げ出した

何をすればいい 
教室で孤立した君が
次は生きていられるように
柔軟に

最終日の夕方に
二人だけの校舎では
影さえも静かに息をする

真夜中じゃ
顔を赤らめた非常灯が消えれば
君は名前を言えた気がした
話を聞けば
君は自分が分からなくて
微かに聴こえた旋律だけを信じていた

何を弾けばいい
屋上で飛び降りた君が
いつか笑ってくれるように
永遠に

君が旋律

君が旋律

彼女はそれが生き甲斐だった

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-02-05

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