*星空文庫

めがねうた100首

N村Kタロウ 作

  1. お読みになる前に
  2. 『題詠』 1-20
  3. 『題詠』 21-40
  4. 『題詠』 41-60
  5. 『題詠』 61-80
  6. 『題詠』 81-100
  7. ※番外

お読みになる前に

※鍵かっこの中の単語は、『題詠ったー』 ( https://shindanmaker.com/134995 )さんがランダムに出してくださったお題です。
※題詠100首と、番外が少しあります。

『題詠』 1-20

1「罠」「こと」    高架下 レンズ煌めく午前2時 君の眼鏡は罠だってこと?


2「楽譜」「日記」     「楽譜ね?」と日記を手繰る白い指 君の眼鏡は僕の手の中


3「白衣」    顕微鏡をさらりと撫でる黒い髪 白衣の胸ポケットには眼鏡


4「カメラ」    君の眼鏡とソビエト生まれのファインダーがかちりと触れて僕は幕の中
 

5「いびつ」「幻」     青い火に君の眼鏡は融けてゆき いびつに笑う僕は幻


6「ゲーム」     助手席の僕と賭けてよ 眼鏡を取って 時速何キロ出せるかゲーム


7「雀」    眼鏡のまま眠りし君のまだ濡れた頬に夜明けと雀の歌を
 

8「海岸線」「象」     波に消える砂の象形文字だから 君の眼鏡の奥は読めない


9「体育」    ゼロ秒後 ジャージの君は宙を舞い 赤い眼鏡が弾けて飛んだ


10「最大」「木」    百八つ響いて寒き東大寺 妹が眼鏡に篝火映ゆし


11「足音」     サボの音が聞こえてくるはず 君のセルロイド眼鏡にかなう僕なら
 

12「帽子」「鈴」     あたらしい帽子も眼鏡も買ったげる 首には鈴もつけてあげるよ?


13「苺」「るんるん」    「わあ、ケーキ!」めがねの奥の目を細め いちごはつまんで捨てる「るんるん♪」


14「玉」「瓶」    ラムネ瓶と君の眼鏡とビー玉の反射が複雑すぎた真夏日


15「等」「庭」    想い出は痛みの向こう 校庭で眼鏡の君と見た二等星


16「主人公」    うつし世はひとりにひとつの薄い本 眼鏡の君もサブキャラじゃない


17「投げる」「もやもや」    あひる口の笑みがもやもやわだかまり 眼鏡を奪って投げた谷底


18「シャツ」「欠席」    眼鏡がね 壊れたから欠席するね シャツが無いから 欠席するね


19「揺れる」「アイ」    名を呼んで振り向けばアイコンタクト 眼鏡チェーンは揺れてきらめく


20「裸足」「作」    カワイイは作れないのね 午前二時 裸足にローファー素顔に眼鏡

『題詠』 21-40

21「歩く」「ビニール」    僕の指す道を歩いて ほらきみは眼鏡を取ればビニール人形


22「ごめん」    コンタクト・レンズに替えたあの子には 頬を撫で告げた「さよならごめん」


23「喉」「灯」    暗闇に君の眼鏡が光ったら喉に食いつく 飛んで火に入れ


24「正解」     正解は眼鏡をかけて読んでみて とてもちいさな字で書いたから


25「卵」「花子さん」    「黄身が2コ!」とか「おトイレの花子ちゃん!」とか はしゃぎすぎ 眼鏡ずれてるし


26「もしも」「波」     もしも僕が海の彼方へ消えたなら 君の眼鏡を波に投げてね


27「現実」     君の眼と眼鏡に僕が映るなら 夢が現実でもかまわない


28「おっぱい」    ブラジャーと眼鏡は似てる 取らないで 君の裸眼は見たくないから


29「昭和」「ちょっと」    いいけどさ 女の子の眼鏡にしては 昭和天皇っぽいよねちょっと


30「宗教」「とぼとぼ」    宗教のように眼鏡よ導いて とぼとぼ歩くあの子をずっと


31「林檎」「ゼロ」    「好きなんて言わないで あたしゼロだもん iPod nanoとメガネ無しでは」


32「安全」「ガラス」    眼鏡ちゃんのガラスレンズが光ったら 避難するのさ安全のため


33「機械」「ラメ」     息継ぎは眼鏡をはずす2秒前 機械とラメがきらめく都市で


34「コンクリート」    銀縁の瞳に僕が弾け飛び コンクリートにキスをした夜


35「バッハ」    眼鏡ちゃん、それもバッハの旋律を夜にふたりで聴いたせいなの?


36「手紙」「ぺしゃん」    その胸を ぺしゃんこにした手紙など 捨てて出掛けよう 眼鏡をかけて


37「電車」「ぺしゃん」    ぺしゃんこの街を阪急電車から見てた眼鏡っ娘を覚えてる


38「苺」「レンズ」     「甘すぎた?」曇るレンズで微笑んだ彼女の苺フレーバーティー


39「姉」    遠去りし姉が遺ししセル眼鏡 鏡に向きて掛くる妹


40 「漫画」「作」    日曜は あの子が眼鏡を光らせて 自作の漫画を見せにくる朝

『題詠』 41-60

41「目薬」     目薬は睫毛を濡らす 唇に眼鏡のつるをくわえた刹那


42「欠席」「パンダ」    二週間ゼミを欠席した君の 眼鏡の下の逆パンダ焼け


43「ジンクス」    君がお辞儀したあと眼鏡がズレてたらいいことあるって僕のジンクス


44「眠い」「土」    ほっぺたも眼鏡も土に帰るのね おやすみ眠いさよなら寒い


45「バイト」    おかっぱの新人バイトは履歴書の赤い眼鏡をいつかけてくる?


46「島」    島だ!ってバスコ・ダ・ガマは叫ぶけど 眼鏡がくもって見えないよあたし


47「パパ」     君はもう逃げられないよ 眼鏡ならパパの知らない場所に隠した


48「骨」    上腕骨折りしあの子にそろそろと眼鏡かけさす朝の病室


49「航路」「じゃのめ」    ママはもう蛇の目で迎えに来ないのね 眼鏡を拭いて見つめる航路


50「兄」    この兄の最後の願いが叶うなら 眼鏡で看取ってくれ妹よ


51「湖」    Tシャツと眼鏡の君が 暑い朝 バイト帰りに飛び込む琵琶湖


52「骨」「私語」    制服の襟と鎖骨と黒髪と縁なしレンズに耳寄せて私語


53「積」    助手席に君の眼鏡をトランクに君の身体を積んでドライブ


54「味方」「きゅん」    今週も眼鏡を隠すよ 君がまた正義の味方にきゅんとするなら


55「素数」     四年後の今日も素数の歳になる君の眼鏡に僕を映そう


56「ルート」    黒縁の大きな瞳はルート3「男なら人並みにおごれば?」


57「おっぱい」「あたたかい」    ふれてみる?  はずしたばかりのめがねなら おっぱいよりもあたたかいよね?


58「美術」     ダサいほうの眼鏡に替えて 眉ひそめ 君が見つめる現代美術


59「ぼんやり」     ぼんやりと夜半の無明に溶け落ちる 髪と眼鏡と舌と指先


60「意味」     「メガネちゃん2号」はただのあだ名だよ ちがうよそういう意味ではないよ

『題詠』 61-80

61「器官」     星月夜 少女の眼鏡は僕らには無い第六の感覚器官


62「きなこ」「記」     遠い日の記憶の中の君だけが きなこまみれの眼鏡で笑う


63「遊園地」「戦闘」    チュニックも眼鏡も乱れよ 遊園地の戦闘機上の同期のさくら子


64「ぶらんこ」「化」    ブランコでウォトカに酔った友は泣く 靴も化粧も眼鏡も落ちて


65「先生」     「ウチみたくガチ眼鏡やとモテへんの? おねがい教えてグーグル先生」


66「両」    点心に眼鏡曇りし 台北の女給は2億両(テール)の微笑


67「眠る」    だれだって眼鏡ははずして眠るのよ あなた知りたい? 知りたくないの?


68「解釈」     法学部の メガネの法子と律ちゃんが夜通し語る憲法解釈


69「やっと」「よく」    レーシックしてみてやっと見えたこと あたし眼鏡がよく似合ってた


70「海岸」「間」    見えるかい? 君の眼鏡で 海岸と海との間の1エーカーが


71「忠実」     お嬢様、アナスタシア姫の眼鏡を忠実に模作してございます


72「ベンチ」    職工とは喋らぬ眼鏡の庶務の娘が 叩いて直すベンチレーター


73 「詩」    家柄も詩吟も眼鏡も捨てたのよ ベンセイシュクシュク夜つけまつける


74 「姉」「日常」     寝し姉の眼鏡を掛けて髪を梳き鏡に向かふ 僕の日常


75「公式」     「だからってメガネ掛けなきゃ可愛くない訳じゃないよ!」と公式答弁


76「ルビー」    3月のセルフレームは 白い肌にルビーのようにきらめいていた


77「におい」    「犯罪の匂いよ!」メガネ輝かせ 制服ひらり図書室に消ゆ


78「サウンド」    スカートの裾と眼鏡を直しつつ サウンドシステム横目に読書


79「ある朝」    目覚めるとひとりの枕元にただ君の眼鏡が置いてある朝


80「航路」「遊園地」    遊園地の海賊船で眼鏡ごと君をさらってゆく魔の航路

『題詠』 81-100

81「体育」「辛い」     体育は辛い時間だ 眼鏡無しでマットを転がる君がぶざまで


82「インド」     カレー屋で眼鏡を取って君が泣いた あの日は遠しインドよりなお


83「まゆ」「笹」    ひび割れた眼鏡を捨てて血を拭う君の眉毛は笹の葉に似て


84「テスト」     テスト中 眼鏡が壊れた君のため はいつくばって探すリムネジ


85「山」    へろへろの眼鏡ガールは 山ガール森ガールにも染まずふらふら


86「瑠璃」「土」    連休が明けたらあたし瑠璃色の眼鏡で眠るの 土に埋もれて


87「牛乳」「ロッカー」    ヘンなメガネの 美少女パンクロッカーは 牛乳飲んでまだ背が伸びる


88「自転車」「元素」    君の手も息も眼鏡も自転車も 118種の元素の手品


89「中」「渚」    渚には夏娘たち その中で君だけ輝いてたね眼鏡が


90「本気」「南」    南洋の宵に本気になるなんて バカね さよなら 眼鏡はあげる


91「なう」「ちこく」     理数科の おさげに眼鏡の読書家は なんと名うての遅刻魔だった


92「朝」「ガール」     真希タソもオカンも氏ねよ ガチ眼鏡ガールは朝までネットで遊ぶ


93「例」「コンクリート」     魚民で荒れてた例のメガネっ娘を コンクリートの溝で拾った


94「眼鏡」「ゲーム」    ゲーム機の光を眼鏡に映しゐる君を見し夢が寝覚めてかなし


95「ベース」    駅裏のハコに必ず来る君のメガネに僕のベースよ響け


96「パンツ」    綺羅星のブラやパンツに目もくれず メガネだけ盗る怪盗紳士


97「届く」「楽譜」     顔を洗い眼鏡をかけて髪を梳くころに僕から楽譜が届く


98「アルパカ」「ドア」    眼鏡はもう置いてまぶたもドアも閉じ アルパカみたいな寝顔で眠れ


99「塩」「君」    正社員は地の塩だ今朝もフルメイクに眼鏡にスーツの君を見送る


100「コントローラー」「春」    2Pのコントローラの温もりに 眼鏡の夢を見そめしは春

※番外


「君にだけ、本当の……」「あたし、ゆずサワー!」赤い眼鏡の娘はにへらへら


シニヨンをほどいて外す伊達眼鏡「コレが無ければ愛せないでしょ?」


繰り返す防災無線 「度付き眼鏡ちゃん以外は、逃げてください!!」


誤解ですこれはあくまでネタですと君の眼鏡に訴えかける


自転車でふたり走った滑走路 きみの眼鏡に月は青くて


前髪に 触れし眼鏡は 瑠璃の色 奪って踏んで砕いて棄てる


髪はねた 眼鏡わすれた 靴ぬげた「みんなケンポー9ジョーのせいね!」


「女なら誰でもいいの?」ちがいます 君じゃなきゃです 眼鏡がなきゃです

『めがねうた100首』

ご意見ご感想等あれば、下記の掲示板にお寄せいただければ幸いです。
「星の門」 http://hashidateamano.bbs.fc2.com/

『めがねうた100首』 N村Kタロウ 作

短歌のようなものを詠んでみよう、毎日一首詠んでみよう、と思って、 『題詠ったー』 ( https://shindanmaker.com/134995 )さんがランダムに繰り出してくるお題で作ってみることにしました。 ただお題だけで一貫性が無いとつまらないので、「眼鏡」をテーマにするという縛りをかけました。 眼鏡に関する言葉やテーマを必ず含むようにして100首、眼鏡歌今夜も口ずさむ、というわけです。

  • 韻文詩
  • 短編
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  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2016-11-13
Copyrighted

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