まぼろしの星屑

まぼろしの星屑

深呼吸をして、貴方に向かえば、星屑が喉に刺さりました。
幻想の星屑の所為で、私は声が出せない。
貴方が目の前に居るのに、まぼろしの星屑は、語らいを阻む。

愛しいなどと、言えなくても、憎たらしいなどと、言えなくても、私はここにいると、今日こそ貴方に告げたいのに。

私はまた、現実と幻想の境を魚のように揺蕩うから、幻想の罰が私を苛む

貴方の欠伸

深刻な顔をして貴方を思うと、貴方は気の抜けたような顔で私の前に現れる。

そして、深刻な私の思いなど気づきもせずに欠伸をして伸びをする。

そして私はそんな貴方の欠伸に救われているのだ。

身勝手な苦しみについて

貴方の思い人の存在について、それはきっと死刑宣告

私の輪郭が消える瞬間

貴方のつがいを知ることとは、痛みだけで終わるわけがなく、私の存在そのものに関わる

貴方のことなど、知らなかった頃に戻れたらいい
貴方のことなど、好きにならなければいい

私の存在自体消し去りたい、そういう衝動である

ありとあらゆる慰めを用意して、ありとあらゆる薬を用意して、ありとあらゆる専門医を用意して、ありとあらゆる覚悟を総動員したとしても、その箱を開けるわけにはいかない

貴方の思い人を知るわけにはいかない。

まぼろしの星屑

まぼろしの星屑

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-09-25

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted
  1. まぼろしの星屑
  2. 貴方の欠伸
  3. 身勝手な苦しみについて