*星空文庫

羽根の夢

藤里 圭 作

  1. これは、幻想の羽根
  2. 大過なき背中へ
  3. 無題

これは、幻想の羽根

ありもしない虫の羽根
幻想の羽根
それは、すきとおっている

あれは、2人だ
幻想のつがい
そう、恋人だ
わたしとあなただ

毎夜募らせたおもいは
結局、存在しない、虫の羽根

すきとおった脈の模様がみえる
ひどく寒々しい

幻の熱に浮かされたフリをして
幻のあなたに触れようとする

形を与えたならば虫の羽根
千切られ落ちた虫の羽根

大過なき背中へ

君は大過なく生きてゆける
厭世的目線、神経的鋭敏さ、隣人の顔色を伺う強迫観念が、ないのであれば。

危ういわたくしは、大過なく生きる君の背中に毎日祈る。

わたくしの祈りはあの大きな背中に届くことはない。
君は、神様ではないのだから。
わたくしの祈りに気がつかないのは当然。

危ういわたくしの脆弱な精神は、大木のような君の背中に寄り添いたくて仕方ない。

君の隣で俯くこと。
それがわたくしの祈りです。

無題

レンズ越しに濡れた芝生を見ていれば
轟く雷鳴

これは頭痛

何かを告げる

会いたい人がいます。
雨の音が聴きたいです。

愛しています。

この痛みが、何かを告げに、やってくる

心へ影を
雨は降らない
今は、春

ただ、うわごとを

『羽根の夢』

『羽根の夢』 藤里 圭 作

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2016-05-03
Copyrighted

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