君の伝説は時じくに伝えているⅡ Re:vise
プロットまとめ
【『君の伝説Ⅱ』 Re:vise】
〜時じくシリーズ 第2章〜
・原作
『君の伝説は時じくに伝えている 再演』
・主題歌
op『パラドキシカルZOO』〜AKINO...〜
挿入歌『プライド~嘆きの旅』〜AKINO...〜
挿入歌『ヤマイダレdarlin'』〜May'n〜
挿入歌『鳥になって』〜多田葵〜
挿入歌『創世のアクエリオン』〜AKINO...〜
ed『夜明けのロゴス』〜May'n〜
・キャッチコピー
『意志を受け継いだ者たち』
・語り
『世界の始まりの日、1200年前、いや1万と2000年前、俺たちの世界は生まれた。あの歴史に隠された真実を、俺たちは知らなければならない』
・付け足し
挿入歌『創世のアクエリオン』は伝説のセイジたちの登場シーンによく使われる。
・あらすじ
1・西暦2015年。世界中の録画動画には様々な場所で活動を広げる彼らの姿があった。夢の囚われ人、ボダイという惨劇から生還した彼らは室馬セイジという男と共に立ち上がった。万能性科学による副産物としてもたらされた他世界への干渉の力を世界の強国家たちは手放さなかった。未だ現人類界よりも弱体する世界を侵略する計画へ足は進んでいたからである。こうしてその大いなる力を求めた世界は軍事力を集結し互いに他世界への進出へ先駆け始めた。だがその他世界への干渉には多大なるエネルギーが必要だった。それはこの世界のものにあるものではなく、ボダイエネルギー光という、ボダイから人の域を超えた力を手に生きて生還した彼らの持つ能力の根源そのものだったのだ。故に強国家たちは彼らを欲した。権力と残虐的なまでの生還者狩りを彼らは強行した。いつしか異世界人扱いのように差別を受け始めた彼らに逃げる場所早かった。こうしていくうちに欲に囚われた者たちの手から室馬セイジは守ろうと自ら最前線で動いていた。やがてDOOMの副作用によって多能幹細胞を宿していたボダイの生還者はそのすべてが歳をとらなくなった。その驚異的な生態を恐れた強国家たちはボダイの生還者を徹底的に排除しようと動き始めた。能力を持つ生還者に正面からは勝てないことを知っていた強国家たちは、未来人を名乗る人物の助力もあって、かつて使われていたDOOMによるボダイへの干渉発生装置を通して既に他世界への侵略を考えていた一部の強国家と連携した。後にわかったことだったが、侵略するための多次元世界への平行空間転移には、高能力のボダイエネルギー光が必要であることだった。そしてこれは今は無きボダイへの直接干渉を経た生還者にしか無い、言わば個々の能力の発生源たるものだったのだ。こうして室馬醒司たちは平行空間転移エネルギーの要として6万人の生還者もろともエネルギー源の犠牲になることとなった…はずだった。
2・DOOM技術から応用された強制空間転移によって、6万人のボダイ生還者が転送された先はボダイエネルギー光を瞬時的に取り込むことで彼らが瞬間的に死にゆく墓場そのものだった。取り押えることもなく始まった殺戮の光景に室馬は我を忘れ絶望の声を上げた。記憶を犠牲にした室馬にとってその光景は自分が見てはならないものだった。絶望は過去を呼び、記憶の創生が彼自身に翼を与えた。憎しみではなく、かつて守ると決意したものをもう一度守り抜くために室馬は室馬自身のその決意そのものによって全エネルギーを再臨させたのであった。こうして発生したボダイエネルギー光は一度死んだ生還者たちを復活させ、未知なる世界へ送り込み、その想いの強さから、新たなる創世を成功させたのであった。発生源の生還者たちを失ってもなお力を発し続ける室馬の形を宿した超エネルギー体を強国家は待っていたかのように使おうとした。それだけのエネルギーが無限に発光し続けることは、彼ら強国家の大いなる侵略戦争の視野に入っていたからである。だがそれと同時に人間性を失い空間で発光し続けるだけになった室馬の身体は、そこからエネルギーは吸収できても自在に操ることはできなかった。彼らの文明ではまだこの超エネルギー体を手にすることすらできなかったからである。故に、新たなる新世界へ送られたボダイ生還者たちの生存の有無も皆無だったのだ。だが、この世界はこうして干渉世界同士の戦争を呼ぶ幕開けに入っていったのである。結果的に、生還者たちだけが、救われたのであった。
3・救われた生還者たちには、これまでの記憶が消えることなく残っていた。雪解や瀬戸山や八神たちは、彼が自分たちを生涯守れるために作った新世界で、新たな人生を歩むことをそれぞれに決意したのであった。室馬の想いを守るため、生還者たちは各々に新たに生まれる子孫たちへ、嘘をつくことをきめたのであった。(子孫からの能力は一般的に出ないようになっていった為、生還者たちの子供たちからは多能幹細胞も消失し、生と死を分け隔てるようになった)この世界の真実と、自分たちを守り抜き、自分を犠牲にした1人の伝説を作って。彼らが残し伝えていくようになった物語はやがてこの世界の古き伝説として生きていくようになった。だがこの新人類界きてなお仇なす憎しみの器だけを宿した存在が己の呪縛を解放させた室馬セイジの個々への影響により生還者の思考性にもそれは著しく出るようになっていた。新人類界で生還者をまとめていた1人である、江堂駿や瀬戸山海斗たちは共に八神萊羅や雪解沙樹の助力もあって新たな世界への影響と侵略を絶対的な力で守れるように室馬セイジから与えられた超エネルギー体によって人類の司る時間の集約エネルギーを発生させることに成功した。これはSageと呼ばれ、後の室馬の名が新人類界すべてに伝説として広がる要因となっていったわけである。時間の集約は飛躍的な進歩であり、これを機に新人類界は旧人類界とは違う異文明を作り上げていくようになったのであった。だが、こうしてSageを用いた新人類界の壁となったエリコヲールには誰もが予期もせぬ事態が起きたのである。新人類界を新たに踏みしめた初となる生還者たちすべてが、子孫を繁栄を成し始めた時に、忽然と生還者たちは消されたのである。この世界において、この新人類界が誤りの道へ歩み始めた全ての元凶たるその存在は今も昔もSageを愛してやまない女性だった。
4・東暦1200年。アンデジェルという度々精神的に人々をそそのかして、壁をこじ開けようとさせる謎の多い女。その実態は1200年前に子孫を残して死を待つのみとなったボダイ生還者すべてを生きたまま壁の力へ無理矢理転換させ自らもまた壁の中へ沈んだ脅威の女。かつて雪解沙樹の名を持った人間にして、今は蓄積させた生還者すべての力を旧人類界へのヘヴンズドアとして開錠させようと企む、室馬セイジへの愛の影そのもの。その想いの醜さ故にセイジの唯一の弱みの存在でもある。彼には彼女を認識できないためにリエナを送り込むこととなったのは後日談である。彼女は旧人類界での復活を経てセイジによる力によって創造された新人類界へ切り開かれたヘヴンズドアをもう一度生還者たちの全ての力を集結させてボダイエネルギー光を最大限に抽出し使おうとしていたのだ。ヘヴンズドアの解錠を目論む愛の影アンデジェルは解錠することで旧人類界への扉へ入り、向こう側に今もなお自らを犠牲にエネルギー体と化した伝説の男にしてかつて愛し合った室馬セイジを我がものとし、その力と共に新世界の新たなる夜明けを創造するつもりなのだ。そして新人類界の誕生と繁栄から200年後の時代に、アンデジェルはひとつの実験をした。その実験に使われそそのかされた男こそが、かのリエナ・ルージュの父親ニムロッドだったのだ。エリコヲールに潜む愛の影ことアンデジェルが自らのヘヴンズドアの実験として初めて旧人類界へ不完全であれど送り込んだ男。東暦200年に送り込まれたニムロッドは共に平行する旧人類界の約1000年後の(ガイアで言う現代の東暦1200年)西暦3015年の旧人類界に来てしまった。それは未だ不完全だったアンデジェルの失策であり彼女が1000年ものあいだを待たなければならない結果だった。だがそんな未来の旧人類界にきたニムロッドをセイジは守った。そして彼とその世界でできた妻と娘を守り抜いた。ニムロッドは断ったが自らの意志で新人類界へ向かうことを決めた娘リエナ・ルージュはセイジの任務を果たすためガイアへセイジの力で飛んだ。以後、リエナはアンデジェルが影となって影狼たちの前に現れるその時まで、家族と任務をセイジの力で忘れ守られていた。ニムロッド本人はまだ旧人類界にいる。
5・アンデジェルはリエナをセイジが旧人類界からアンデジェル自身の制裁のために送り込むことをわかっていた。故にリエナをかの実験から1000年後の現代でニムロッドの実子たる存在を探し続けていたのである。そうしている間にもアンデジェルは別の方向からもエリコヲールの解錠を目論み、諸国家をガイア共和国が持つSageの力への欲に満たし、戦争をおびき出した。こうして一部のガイアを掌握された怒りによりバリウス率いるガイア軍が立ち上がり、ガイア奪還戦争を呼んだ。だが幾十もの国家間で起きた戦争は武闘少女劉の養父である当時の研究者レバイアンによって提唱された、エリコヲールに守られるガイアの全人口調律の崩壊を阻止するために最も広がりつつあった一部の世代にのみ働く干渉エネルギーをSageから抽出し、新人類界から人としての物理的な維持体系を消したのである。これが世に言うハルカゼやルナ女君たちの親の世代にして空白の世代なのであった。彼らの行方は未だ知れていないが、レバイアン曰くSageの根源たる室馬セイジ本人の意志を持って行われたこの現象は室馬セイジの意志による保護を受けているのではないかという説がある。こうして起こったその空白の世代による超規模な消失現象によりガイア奪還戦争はバリウスの勝利によって終結した。その20年後にはガイア統治者ルナ女君の喪失を分家であるジュダにより、偽の情報を王宮殿に出回らせた。結果的に当初元老院で問題化しつつあった、Sageの利権とエリコヲールの真実を世間に伝えようと働く者たちとのあいだに闇の代理戦争をトリガーとして、他の諸国家へ向けられた疑心暗鬼が大戦を開始するきっかけとなったのであった。王都フィガンローナの市街戦でSage信仰を主とし臥翁羽に依り代を置く暗躍組織影狼は多大なる殺戮の的となった。暗躍を主業とする彼らにとって表の戦闘は不利であり、大攻防が繰り広げられていたのである。だがそれもリエナの記憶回帰とSageの力による復活でアンデジェルを認識することができたのであった。がリエナはハルカゼの危険に隙をつかれ、アンデジェルによってその身体を乗っ取られたのである。地上界へ意志を持った個体として再臨したアンデジェルのSageそのものを操る強大な力によってまたたくまに戦況は新たな強敵の出現で世界中の崩壊を呼び始めたのであった。五十嵐やレナードの大きな犠牲により影狼の瀬戸山ユイと江堂シデンとレオンは数少ない仲間とともにアンデジェルから逃げることに成功した。ハルカゼも息を消沈させながらもリリシアと彼女によって救われたルナ女君やアロウドたちと危機寸前で逃げ切れていたのであった。だが、彼らは広大なる栄光の王都フィガンローナの灰と化した姿をただ見ることしかできなかったのだ。逃げゆく人々を助けることもできずただただ生きることを願うことしかできなかったのだ。人々のためと信じてきた彼らにとってそれは生きることすらも絶望のように感じる光景そのものだった。
6・戦争指揮を放棄した諸国家は散り散りに絶望的なまでに力を持ってしまったアンデジェルの手によって破滅の時を刻一刻と待つのみの終末期時代に突入していた。影狼としての機能を失った彼らは最後だからと各々の故郷へ帰る者もいれば残って江堂たちについていく者もいた。残存勢力は逃避行を続け、生き残った者たちを旅の途中で救いながら、新人類界で人類が手にする土地において最も安泰の地とされる西アルノール王国の栄都エレンディルへ向かっていた。そこには国際連合も敷かれていることも大きかった。だが多くの国々で紛争が激化していたため、大回りして旅が始まったのであった。国の再建、国家の秩序、民間人の狂乱化。様々な問題が世を騒がしていた。それはまるで、伝説ロゴスフィリアにおけるボダイという統一夢と言われた世界で生還者たちが戦いあった日々のようだった。至る所で無意味な血が流され、人々は野蛮な衝動を抑えきれなくなるようになっていた。元老院では多くの賢者たちが死に逝き、暗黒時代の再臨を告示させていた。ハルカゼたちは各々の能力を使えない体になっており、それは誰もがそうだった。アンデジェルによる新人類かに存在する人類への干渉が後を絶たず、世界各地で争い合うことのない者たちが殺しあっていた。独裁体制を図る強権者たちがSageの力をめぐって廃都フィガンローナに押し寄せるも、同じ者が後を絶たないためにフィガンローナは戦争の聖地となってゆくようになっていた。資源の枯渇を問題視することもなく、世界は何者かわからない誰かと無意味な戦争を起こしていた。だからこそ、ハルカゼたちは今立ち上がらなければならなかった。死んでいった仲間たちを笑って出迎えられるように。ハルカゼたちは瀬戸山たちと手を組み、志願する仲間や民とともに新たなガイア義勇軍を結成したのであった。逃避行の果てにたどりついた西アルノール王国の栄都エレンディルはかの安泰の地ではなく、壁に住まう者にして愛の影と呼ばれるアンデジェルへの決戦要塞都市へと改進撃への一歩に踏んでいた。だが強者揃いのアルテミス精鋭団から追われていたハルカゼ一行は早急にエレンディルに上都しなけばならかった。ここで一躍買ったのが栄都エレンディルの守護戦士たる異名を持つ西アルノール残党軍のエレンディル守護を任務とする白兵隊だった。この都市はただアンデジェルに真っ向から立ち向かうだけではなく、残忍な裁きを執行するエリコ戦教使や無慈悲な能力で特化した戦闘部隊であるジュダの、エンドロール軍に対抗する為に結成された新たな組織でもあった。未だ指揮系統が統一されていなかったが、ハルカゼ率いる勇敢なるガイア義勇軍の加勢により、その勢いはますます大きくなったのである。ハルカゼたちはあの影と光が地で再び相見えたあの瞬間からさらに強く大きく逞しく成長していた。アロウド兄弟もそれぞれの役を成して新しい道へ進んでいる。仲間たちの死を受け止める間もなく時間は過ぎてゆくがそれでも尚戦わなければならなかった。ここで彼らの、彼女の成すがままにさせれば、このガイアが消えるかもしれなかったからだ。エリコヲールの解錠は目前だった。アンデジェルの目論見は今まさに成功の時を迎えようとしているのだ。力を集結させたアンデジェルは己の力をガイアの地と連動させて発動させることでエリコヲールにヘヴンズドアを設けることができると思っているからである。こうして戦争は激化を辿る中、新興都市エレンディルは発展を続け巨大要塞となっていた。だがその一方でジュダ率いるエンドロール軍とバリウス率いる旧王都騎士団とギデオン率いるエリコ戦教使の進撃がここ西アルノールへ向かっているとのことだった。様々な出会いとともにハルカゼたちはアルテミス精鋭団と紅キ大地の傭兵団とも熱い友情で結ばれるようになり、ほどなくして旧王都騎士団に匹敵するほどの軍勢力を有するようになったのである。
7・アンデジェルの魂を持つリエナの身体はガイアなる新人類界とかつて父と母を残す旧人類界との狭間にいた。彼女は歴史に埋もれながら、アンデジェルの憎しみから僅かながらも新しい感情を見つめていく。絶望的な美貌を持ち絶望的な憎しみに生きるアンデジェルの姿を。そうしていくうちにアンデジェルの勢いは増し、エリコヲールの隠された真実をリエナは知ることとなる。エリコヲール、それはただセイジのエネルギーたるSageによって創られた他世界防壁ではなかった。かつての始祖たる生還者たちがそこには眠っていた。全世界を駆け巡った人々の生きた力をアンデジェルは自らがもう一度、セイジにしか開くことの許されなかった旧人類界とを結ぶヘヴンズドアを解錠させるためのエネルギーとして1200年前から、いや正確には1万と2000年前から生還者たちの生きた力は蓄え続けられていたのである。だが時は満ちようとしていた。人々の持つ憎しみたる憎悪の根源がアンデジェルに力を与え、彼女を強くしていたからである。だがアンデジェルへの理解を深めようとした時、リエナはセイジによって救済される。アンデジェルへの愛の深淵を覗くと帰られなくなる。そう正すセイジにリエナは反発するもアンデジェルへの理解を自ら押しとどめ、感情に揺れながらも、ハルカゼたちを苦しめる悪として戦うことを決意した。セイジによってリエナは父母の待つ旧人類界へ新人類界の記憶を持ったまま送られた。セイジ故の最後になるかもしれぬ気遣いであった。セイジはリエナ自身は送れても、ガイアの人々を送ることは自らが創り上げた新人類界の掟として、不可能だった。ヘヴンズドアに押し扉はあっても引き扉は無かったからだ。セイジはいずれ自らをも手のひらで操れるほどの強大な存在がそれを成し得ぬよう自身の力ですら開けることのできぬ扉を創り上げたのであった。こうしてリエナは数年ぶりの再会を果たした。夢にも思わぬこれまでの世界と真実を語り合い、新人類界とは根本的に異なるかの旧人類界の世界を思い出し、圧倒されながらも受け入れてゆくのであった。一方でアンデジェルは逃げ去ったリエナを追わず、一人の女性として別れたのであった。
8・下界の西アルノールではエンドロール軍と旧王都騎士団とエリコ戦教使が同盟を組みこちらへやってきているために、決戦要塞都市エレンディルでは都市外前戦と都市総力戦に勢力を分けて準備に入っていた。かの安泰の地はもはやどこにもなく、今やエレンディルは廃都フィガンローナへ出陣したハルカゼたち旗陣隊によって奪取できた超エネルギー結晶Sageの限りない力により、強大な力に守られていた。だが向かってくる闇の三軍にはアンデジェルの直に宿されたセイジの力があった。当のセイジ本人が最も願わなかった自らの力による人々の戦争の幕開けが近づいているのである。こうしている間に、リエナは己の決意を込めてセイジの元へむかうことを言う。旧人類界では黒鉄の大都市が蠢き、灰色の空がすべてを覆っていた。喧騒としたなかで万能性科学と謳われていた当時の副産物はセイジの超エネルギー体だけであった。すべてはそこから抽出され人類の進歩と題されている。あらゆるものに正確性が求められ、国家権力は絶大なものだった。苦しむものも多く、人々はオゾンの破壊によって入り込む第6世代紫外線の脅威にさらされた人類は鉄壁を作る金のない者はことごとく地下へ逃げ込んでいた。そこはまるで生き地獄だった。リエナは父母を説得して、2人も共に旧人類界を脱したいことをセイジに告げた。するとセイジは彼ら2人をかつてレバイアンによって実現された空白の世代の消えた空間へ共に誘うことを語ったのである。なんと、空白の世代の約数十億もの人々はセイジ自身によって守られていたのであった。だが父と母は残ることを決めていた。リエナは家族として子として2人をこんな世界にいさせたく無かった。だが彼らにとっては生きた場所でもある。だからこそ、守れる人々がいることを言った。リエナには理解できなかったが、彼ら2人は2人で共に生きた仲間たちを支えて生きようと決意していたのであった。ニムロッド・ルージュとその妻である嘉山・R・汐音(室馬セイジが故郷へ戻った時に嘉山家族も存在した)は旧秋葉原抗戦からレジスタンス軍にいるために、帝政日ノ丸軍国国家から指名手配されていた。こうして彼らはレジスタンス軍として最後まで戦うことを言い、レジスタンス軍と共に、リエナは超エネルギー体であるセイジの元へ強襲をかけたのであった。多大なる犠牲と父と母の死により、リエナは室馬セイジのもとへ辿り着いた。そうしてセイジは自らを解く鍵を己が旧人類界と新人類界を渡り続けたことによって生まれた弱小なヘヴンズドアへの原点となるボダイエネルギー光によって導き出し、その封印を解いたのである。セイジはリエナの持つ救いを求める願いによってこの度1200年の時から復活を遂げたのであった。自らをも呪い自らを押しとどめたセイジがアンデジェルの策略によってエリコヲールの危機を演じた報いであることを悟り、セイジは日ノ丸国の帝都真京を一瞬で壊滅するほどの威力を解き放ったのであった。驚異的なそれの前に誰も立ち上がることはできなかった。怒りの魂がそこにあった。リエナは亡き父母の遺言と共にエリコヲールへむかったのであった。
9・西アルノールでは大決戦が始まっていた。かつての力を発動することが可能となった彼らは大いに魂をぶつけあっている。決戦要塞都市エレンディルの大攻防線が繰り広げられた。優勢と劣勢が激しくぶつかり合い、壮絶なまでの大軍が大地をひしめき合っていた。地を黒く染め、闇の三軍はエレンディルを攻めた。天空を飛行武器が飛び交い、それはまさに天を覆うほどに激しさを増した。それは言わば伝説ロゴスフィリア同様、かつてない最後の戦いへの幕開けだったのであった。大戦争は7日間で終わった。決死の覚悟でガイア義勇軍が残り残ったエンドロール軍との戦いへ白銀の女神ルナと共に立ち向かった時、方滅状態の中で未だ原型をとどめている決戦要塞都市を盾にあがきを見せつけるも、旧王都騎士団にエリコ戦教師を壊滅させたのにもかかわらずその数は圧倒的なものだった。数千万の闇の三軍最後の大軍勢が押し寄せるなか、いよいよ戦いが不利になった時、ハルカゼたち旗陣隊が先陣を切り闇をかけるなか、ハルカゼがルナを守りジュダと相対するなか、壮絶な嵐が引き起こって、ジュダの能力により、ハルカゼが共に現れたアンデジェルの手によって瞬殺されそうになったその刹那、間に合うかのように天が裂けた。手を覆うすべての力が鬨の声を謳い、光と闇が地に落ちた。絶体絶命に立たされたハルカゼたちを迎えるようにその大軍勢は現れたのであった。それは空白の世代を引き連れて天から現れたボダイ生還者の伝説の光の選軍だったのである。彼らの中枢には見たこともないほどに輝く1人の女性とリエナがいた。その周りにはセイジと共に生きたとされる圧巻なる力を持つ彼らがいた。そうだ。これがガイアの真の夜明けとなる光の選軍の進行だったのである。世界は天を失い、大いなる戦争の時がここにきたのであった。
中編・完
・登場人物
【1200年前の伝説上の人々】
室馬セイジ→新人類界の創造者。世界統一者
雪解サキ→セイジを愛するアンデジェル本人
江堂シュン→セイジと生きた親友。光の選軍
瀬戸山カイト→セイジの理解者。光の選軍。
科学者たち→ボダイ創造を仕組まれる操り人
DOOM→ボダイ殲滅の為他世界へ渡る生還者
八神ライラ→セイジを愛する一人。光の選軍
【新旧人類界の組織】
ガイア義勇軍・アンデジェルの殲滅を目的とする旅団。西アルノールへ戦の終結に向かっている。ハルカゼをリーダーとする大精鋭。
ー旗陣隊・ハルカゼたち先陣者の統制部隊。
ー本陣隊・元影狼や志願による義勇軍本隊。
ー要陣隊・選り抜きの特殊能力の達人集団。
対賊傭兵連隊 紅キ大地・旅途中に世話になる
アルテミス精鋭団・婆羅門率いる凄腕の軍隊
エンドロール軍・ジュダ率いる残忍な能力軍
旧王都騎士団・バリウス率いる勝利の騎士団
エリコ戦教使・戦闘狂ギデオンの教団鎮圧隊
西アルノール残党軍・西アルノールの戦争を生き残った勇敢なる戦士たち。
ーエレンディル白兵隊・最後まで栄都を守護
ー秘密警察・世界の闇を知る為に戦う影役者
光の選軍・リエナの身体を持つアンデジェルによって復活の刻印を印されたSageの力そのものの具現化にして、かつてのボダイ生還者
【新人類界・ガイア】
(ガイア義勇軍)
桜舞 ハルカゼ→ガイア義勇軍のリーダー。
アロウド・シン→ハルカゼと共に戦う親友。
劉・コウガ→ハルカゼを密かに想う武闘少女
瀬戸山 ユイ→エリコヲール開発者の子孫天才
江堂 シデン→亡きレナードを愛する孤独な男
アロウド・レオン→弟たちを守る暗殺稼業家
ルナ・レイオクォルツ→人々の白銀の女神。
婆羅門→年齢不詳の美女。ハルカゼを追う。
臥翁羽→観察者。瀬戸山たちを見守る。
ヴォルダム→風にのる大いなる力を持つ老人
リリシア・モローレ→ルナを最後まで守る。
(アンデジェルの配下)
アンデジェル→セイジを愛する愛の影。
リエナ・ルージュ→旧人類界よりセイジから遣わされた使者にしてニムロッド・ルージュの娘。愛の影に慈悲を与えるため遣わされたものの、愛の影ことアンデジェルにハルカゼのことで隙を与え身体を乗っ取られる。今は心象心理世界でハルカゼを想い、アンデジェルの前身である雪解の室馬を愛する気持ちを知っていくようになっている。
バリウス・ネルツ→戦の男。妻子を持つ父親
ジュダ・レイオクォルツ→アンデジェルによってその心の汚れに憑かれた男。レイオクォルツ一族の分家にして部下。
ギデオン→元老院から戦争を引き起こす者たちを引き連れて強大なエリコ教団の戦闘部隊を結成する。後々にハルカゼたちを最も苦しめる組織となる。
【旧人類界に繋がる者】
ニムロッド・ルージュ→エリコヲールに潜む愛の影ことアンデジェルが自らのヘヴンズドアの実験として初めて旧人類界へ不完全であれど送り込んだ男。東暦200年に送り込まれたニムロッドは共に平行する旧人類界の約1000年後の(ガイアで言う現代の東暦1200年)西暦3015年の旧人類界に来てしまった。それは未だ不完全だったアンデジェルの失策であり彼女が1000年ものあいだを待たなければならない結果だった。だがそんな未来の旧人類界にきたニムロッドをセイジは守った。そして彼とその世界でできた妻と娘を守り抜いた。ニムロッドは断ったが自らの意志で新人類界へ向かうことを決めた娘リエナ・ルージュはセイジの任務を果たすためガイアへセイジの力で飛んだ。以後、リエナは未だ家族と任務をセイジの力で忘れ守られている。ニムロッド本人はまだ旧人類界にいる。
・物語用語
伝説→1200年前にセイジという力を手にした男が数多の世界をひとつに繋げ救った物語。
ロゴスフィリア→伝説の正式名。文字から生まれた友愛を意味している。伝説による噂。伝説の男が1人の女性だけではなく、全てを友として愛した証であるということ。
新人類界→生還者が文明を築いた新世界。
旧人類界→室馬が生還者を救うために自らを犠牲にして新世界と分け隔てた人類世界。
ガイア→生還者が創った文明の国。
第1世代目→歴史の真実として、この世界へ送り込まれた生還者の世代を言うが、現在ではそのことを知る者はほとんどいたい。
国際連合→生還者が後世に記録を繋げて伝えられるよう作った新しい国の連合議会。元老院の指揮下にあるも、その存在形態は国家の首脳に左右される。今や強国家となったガイア共和国が設立したものであるが、その力のバランスがあまりに他の諸国家と均等ではないため、現在では最も安泰の地とされる西アルノール王国の栄都エレンディルに本部が敷かれている。西アルノールの王は他国同様、国連の公事業以外は関与する権限はない。
開拓機構→国連の一部。ガイアの周りで今なお増え続ける人類の国土を開拓している。尚、ガイアを除いて今は35の国がある。かつて20年前のガイア奪還戦争でバリウス・ネルツと共に勇敢なる戦いをおさめた女戦士リリシア・モローレが、防衛機構が立てるバリウスの戦略的支配構築像を防ぎ、人々に安泰の国家関係を築く方針へ働いている。
防衛機構→国連の弱体化を防いだ組織。1200年もの間にその組織図はかつての旧人類界の国連とは全く異なる働きを持っているため、ガイアにおける世界的な統一力を誇っている。旧人類界を知らぬ現代のガイア人は今の国連をかつての戦争終結から組織編成された国際的秩序を目指す国家間団体の成れの果てだと思い込んでいる。そんな国連の統制力が増え続ける諸国家に追いつけなくなり多大なる犠牲と共に大戦を作り上げていたことから、ガイアの奪還戦争はこの防衛機構の立て直しに非常に貢献している。軍事的介入が主であり、防衛機構としての役割は元老院がほぼ仕切っているようなものである。
エリコヲール→新人類界の1200年続く次元の壁。エネルギー源としてSageを使用している。民はその真実を知っている。元老院やルナ女君は別名として沙羅双樹の壁と呼ぶ。かつてこの世界へやってきた第1世代目の生還者を束ねていた者の1人であった瀬戸山ユイの祖先によって開発されたものである。そのエネルギー源は人類の未来から抽出するSageの力から取り入れていたのだが、その裏にはアンデジェルと呼ばれる1人の憎しみを抱いた女によって書き換えられた真実があった。彼女は第1世代目の生還者すべてを子孫の繁栄後に彼らの記憶から親の顔を消すと共に、自らが望むヘヴンズドア開錠へのエネルギーの切り札として生きたまま閉じ込めているのだ。
ヘヴンズドア→伝説の男が人類を守り抜くために閉じたとされる他世界への干渉の扉。実際には、伝説の男がヘヴンズドアを開けて生還者を救済し自ら旧人類界に残って犠牲となってた。
Sage→伝説の男の名。時間集約エネルギーの名称。世界時間の10年を1年として集約し生きることで発生する凝縮された結果で発生する高エネルギーをエリコヲールや新技術の応用に使用している。この集約の副作用により通常ありえない特殊な現象や能力を人間が直に体験し操れるようになってきている。
影狼→生還者の真実を知る暗躍組織。
元老院→国連を統治する最高権力機関。
女君→ガイア統治者にして元老院を司る女子。先代である父の不自然な消失事故により若き女君が誕生した。アルビノの病を持っており、日の元へ出ることを許されていない。
国民→生還者の子孫で真実を知らぬ者達。近年その平均寿命が160歳に延び、現在は約240歳の男性が最高年齢とされている。
壁に住まう者→後々わかることであるが、アンデジェルという度々精神的に人々をそそのかして、壁をこじ開けようとさせる謎の多い女。その実態は1200年前に子孫を残して死を待つのみとなったボダイ生還者すべてを生きたまま壁の力へ無理矢理転換させ自らもまた壁の中へ沈んだ脅威の女。かつて雪解 沙樹の名を持った人間にして、今は蓄積させた生還者すべての力を旧人類界へのヘヴンズドアとして開錠させようと企む、愛の影そのもの。その想いの醜さ故にセイジの唯一の弱みの存在でもある。彼には彼女を認識できないためにリエナを送り込む形となった。
空白の世代→約20年前にこの世界の一部で起きた万民消失現象。これによってガイア奪還戦争は終結に至った。同世代の国民が男女を問わずに忽然と姿を消したことで、今成人を迎えようとする者の前後の若者たちの大部分に親がいない。だがその実態は、空白の世代の提唱者レバイアンなる男によってもたらされた、新人類界バランスの調律を目的とする器に収まりきらなくなった世代人の空間移送転移による新人類界からの消失だったのだ。
ガイア奪還戦争→今なお増え続けるガイアの分国は独自の文化を持ち合わせるようになり、一部でエリコヲールの力を手に入れようとした諸国家たちがガイア共和国に侵略を行使した残虐な戦争時代があった。この時にガイアの押し迫る最前線で無謀な戦略を成功させたのがかのバリウス・ネルツである。現在では国連の防衛機構で軍事的諸国家統一を図っている。だがその身は1人の父親でもある。
・世界観
中世ヨーロッパを漂わせる現代人の集落
和をもつ文化も所々見られる。
文明は旧人類界の面影を残すも、科学に頼り過ぎることを禁忌のように扱う面がある。
巨大建造物群の町でありながら、蒸気機関車や空中庭園などが混在し、現代社会を帯びた情緒あるモダン風レトロポリスとなっている。
統治者は王としての座であり、他国との関係が未だ曖昧であるため、政府体制は禁忌とされてている。
ガイア共和国家は建国されているが、他の35の諸国家もひとつにガイアと呼ぶことの方が多い。
元老院が国連の指揮をとるも、あくまで国民の歴史的記憶に異変が起こらないための措置による形としての組織であるため、女君が上に君臨していることに変わりはない。尚この事が生還者たちによる初めに行われた世界的歴史改ざんを隠滅するために行ったシステムだとは影狼と女君を除けば誰も知らない。
旧人類界はボダイ生還者の消失後、自らを犠牲にした室馬醒司のかたちをしたボダイエネルギー光を放つ超エネルギー体を他世界への侵略戦争のエネルギー源としている。戦争は激化を増し、地球規模の崩壊へ向かっている。
・構成用語
【時じく Re:awaken】より1200年後
時じく世界観における新章物語。
室馬醒司たちが伝説扱いとなった世界。
継続性はあるも主要人物は総書き換え。
1200年前、人類は10年分の時間と、10年分の因果消費エネルギーを、1年という時間に集約することで1年365日を他の因果から守り強固な壁とする技術を獲得してきた。
1200年前に起きた伝説『ロゴスフィリア』によって生じたそれまでの常識を覆す因果論が歯車をかけ、地球規模で起きる因果戦争の火が現人類界へ及ばぬよう、人々は世界と世界の狭間に人類史上最強のエネルギーの源となる時間集約のエネルギー『Sage(伝説の救世主)』を用いた『エリコヲール』という世界線の壁を作ったのであった。
世界平和は守られることなく様々な紛争が未だ絶えぬが、国連はエリコヲールを指導するようになったことから、国際連合直轄の地球防衛軍を通して人類を幅広く守るようになっていった。
主人公たちの世界では10年分の時間を1年で過ごすようになったことから時間を収縮エネルギーによる体感時間の累積により、約1000年を経てその身に特殊な能力を宿す者が増え始めていた。言わば人類の進化である。
国連はこれを危険因子とみなすも世間は賛否両論で未だことは大きくなることには至っていない。
人類はエリコヲールを1200年前からの伝説以来の副産物として尊んでいる。
伝説はあくまで伝説扱いである。
という設定であった…。
歴史の真実は以下の通りである。
1200年前、人類は因果論を万能性科学の大いなる過ちによって知ることとなり、それ以後、この世界の未来を選び、すべての能力を使い果たしたことによってすべての記憶を犠牲にした室馬醒司と彼に続く生還者たちを筆頭に人類の一部が人間の持つ未知数のエネルギーを保護し、欲に囚われた者たちの手から守ろうと動いていた。
やがてDOOMの副作用によって多能幹細胞を宿していたボダイの生還者はそのすべてが歳をとらなくなった。その驚異的な生態を恐れた強国家たちはボダイの生還者を徹底的に排除しようと動き始めた。能力を持つ生還者に正面からは勝てないことを知っていた強国家たちは、未来人を名乗る人物の助力もあって、かつて使われていたDOOMによるボダイへの干渉発生装置を通して既に他世界への侵略を考えていた一部の強国家と連携した。後にわかったことだったが、侵略するための多次元世界への平行空間転移には、高能力のボダイエネルギー光が必要であることだった。そしてこれは今は無きボダイへの直接干渉を経た生還者にしか無い、言わば個々の能力の発生源たるものだったのだ。こうして室馬醒司たちは平行空間転移エネルギーの要として6万人の生還者もろともエネルギー源の犠牲になることとなった…はずだった。
DOOM技術から応用された強制空間転移によって、6万人のボダイ生還者が転送された先はボダイエネルギー光を瞬時的に取り込むことで彼らが瞬間的に死にゆく墓場そのものだった。取り押えることもなく始まった殺戮の光景に室馬は我を忘れ絶望の声を上げた。記憶を犠牲にした室馬にとってその光景は自分が見てはならないものだった。絶望は過去を呼び、記憶の創生が彼自身に翼を与えた。憎しみではなく、かつて守ると決意したものをもう一度守り抜くために室馬は室馬自身のその決意そのものによって全エネルギーを再臨させたのであった。こうして発生したボダイエネルギー光は一度死んだ生還者たちを復活させ、未知なる世界へ送り込み、その想いの強さから、新たなる創世を成功させたのであった。発生源の生還者たちを失ってもなお力を発し続ける室馬の形を宿した超エネルギー体を強国家は待っていたかのように使おうとした。それだけのエネルギーが無限に発光し続けることは、彼ら強国家の大いなる侵略戦争の視野に入っていたからである。だかそれと同時に人間性を失い空間で発光し続けるだけになった室馬の身体は、そこからエネルギーは吸収できても自在に操ることはできなかった。彼らの文明ではまだこの超エネルギー体を手にすることすらできなかったからである。故に、新たなる新世界へ送られたボダイ生還者たちの生存の有無も皆無だったのだ。
だが、この世界はこうして干渉世界同士の戦争を呼ぶ幕開けに入っていったのである。
結果的に、生還者たちだけが、救われたのであった。
救われた生還者たちには、これまでの記憶が消えることなく残っていた。雪解や瀬戸山や八神たちは、彼が自分たちを生涯守れるために作った新世界で、新たな人生を歩むことをそれぞれに決意したのであった。室馬の想いを守るため、生還者たちは各々に新たに生まれる子孫たちへ、嘘をつくことをきめたのであった。(子孫からの能力は一般的に出ないようになっていった為、生還者たちの子供たちからは多能幹細胞も消失し、生と死を分け隔てるようになった)この世界の真実と、自分たちを守り抜き、自分を犠牲にした1人の伝説を作って。
彼らが残し伝えていくようになった物語はやがてこの世界の古き伝説として生きていくようになった。
君の伝説は時じくに伝えているⅡ Re:vise