アメがもっとほしい

アリはあまいものが好き
道の上に落ちたアメの欠片に群がり
自分の巣にもちかえる

小さい欠片だったら一匹で
自分より大きな欠片でも
みんなで力を合わせばできてしまう

それぞれがお腹が減るたびに
食べ物を求めて探し回るのでなく

巣にいるみんなや
これから生まれてくるものたちのために
食べ物をたくわえる

人も同じ
お金があれば食べ物と交換できるから
アメ=お金

アリのようにせっせと働き
もらったお金を銀行に貯金する

どちらも社会的に生きる知恵をもっている

それだけだったら自然なんだけれど
アリとちがうところは
人はお金が入りそうだとおもうと
なるべくたくさん取ろうと
みんなでよってたかってごまかしたりして
自分たちの働きにみあわない過大な請求をしたがる

大きなアメであればあるほど
なぜかそうなってしまう

みんなで一緒にやれば
罪の意識が薄れると思うのか

それとも
やっぱり人は
いつも飢えているありきたりな生き物ってことなのか

アメがもっとほしい

アメがもっとほしい

人はアリさんと似ているところがありますが、そうでないところも。なぜ新国立競技場の建設費はふくらんでいったんでしょうね。

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-07-17

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