誰にも気に留められずに

道にただ転がっている 小さな石ころのように

誰にも気に留められずに

見過ごされ 踏まれ 蹴とばされることに

耐えられないの?

山奥に ぽつんと咲いている 雑草の花のように

自分を見つめてくれるのは あの雲間から顔を出している

お日様と たまに飛んでくる虫だけじゃあ 寂しすぎるの?


そうじゃあなくて 石なら 貴婦人の指に燦然と輝く ダイヤモンドみたいに

みんなのあこがれや 羨みの視線を集めたいのかな

花なら バラや蘭みたいに きれいな色や形に咲いて あたりに甘い香りを漂わせ

美しさを競うコンクールで優勝して たくさんの人に褒めてもらいたい

そう思っているのかな


もしそうなら ちょっと悲しくなっちゃうかも

でも こんな気持ち あなたにはきっとわかんないよね だってさ

ぼくは あなたのほっぺに触れても その髪をなでても 誰の目にも見えない

ただの 気まぐれな 風なんだもの

誰にも気に留められずに

誰にも気に留められずに

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-12-17

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