コント&川柳集/ トン・カラ・シー

【カラスの一句】

「カア、カア、おい相棒。最近人間どもがやたらとマスクを
つけてるの目にするがどうしてだい?もう杉もヒノキも
花粉をつけてないのにさ。」「カア、カア、お前知らないのかい?
いま人間の世界じゃあコロナなんとかという疫病が流行ってるのよ。
以前に俺たちの仲間を襲った鳥インフルエンザと同じようなものさ。」
「あの時は大変だったよなあ、俺たちは何とか生き延びたけどさ。
兄弟の何羽も落ちたからなあ・・。人間もおそらくそうなるだろうよ。
でも俺たちがある程度の食い物を人間の残飯に頼ってるのに、近ごろ
公園や町中に人出が少なくて食べ物探すのに苦労するよ。他人事とは
いえないよな。」「花見客の弁当の食べ残しは今年は期待薄だな。」

『残飯なくて なんでこの世の 花見かな』クロスケ 

(2020/04/19) 


【マスクよりも】

「おい、大変だよ、今流行の何とかウイルス肺炎、
それにほら、ぼつぼつ花粉が飛び始める季節だろう?
使い捨てマスクが売る切れちゃってるらしいけど
俺んとこは大丈夫なんだろうなあ。あんなもんが
流行った日にやあ、マスクなしではうっかり買い物にも
行けやしねえ。それに、もし俺かお前が罹ってよう
かわいい孫にでもうつしてみな。それこそ目も開いてられないよ。
昔のトイレットペーパー不足にも往生したが、今度はマスクと
きやがった。上の入り口としたの出口との違いだなんて、笑って
られる場合じゃないよ。でどうなんでえ。俺んちは大丈夫なんだろうな、
おい!煎餅ばかり食ってないで、何とか言ったらどうなんでえ!」

「マスクよりも、どこかに売ってないか探してきな。男のくせに
ベラベラしゃべるあんたの、その口につけるチャック!」
「・・・。」



【オークョンブーム】

「おい!婆さんちょいとこれ見てくんな。すげえだろう?」
「なんだよう、そんなただの木の人形みたいなものどうしたのさ。」
「ただの人形じゃあねえよ、よく見ろい、こりゃ木彫りの弁天様だあな。
それにこの彫りの深さや見事さ、まるで当世の左甚五郎じゃあねえか。」
「あたしゃそんなものより、あんたの顔のしわの深さが気になるね。
こんな大きな図体で寝たきりにでもなられたらどうしょう、ああいやだ!
いやだ!考えただけでもぞっとするよ。」


【やっと相手が】

「おめでとうございます!やっとお相手が見つかったそうで、
随分長い間、家に居られたので、これでお母様もほっと
されたことでしょう。私もあんな綺麗なお嬢様が、と不思議に
思っておりましたが、ほんとにようございましたねえ!」

「あのう、貰って下さるというのは、うちの子犬なんですけど。」

【90歳のお散歩】

「ヨイショ!ヨイショ!ヨイショ!」「あら、お婆さん
お元気ですね、乳母車を押して、今日もお散歩ですか?」
「ええ、うちのお爺さん歩けなくなったもんだから、ほら
こうやって、私が乳母車に乗せて毎日散歩させてるんですよ。
さあ、お爺さん行きましょうか、今日もいいお天気だこと。
ヨイショ!ヨイショ!ヨイショ!・・・。」「????」


【名人芸?】

「いずみさん聞きましたよ。すごいじゃないですか。眼を閉じたまま
三味線お弾きになったんですってね。」「先生、違うんです。弾いてる
うちにその・・・いつの間にか、眠りこけてしまってたんです。」

【悪いとこ】

「ええ?!糖尿病に心臓もかいな、元気に見えるのにあんた・・・。
わしか?どこも悪いとこ無い無い。女房に言わしたら、ただ頭だけやて。」


【車のお掃除】

「ねえ、パパ。」「なんだい、チーちゃん。」「パパこの頃
車の中、何でお掃除しないの?」「この頃、色々忙しくって
する暇がないんだよ。」「チーはきれいにお掃除された車で
ドライブしたいな。チーが代わりにお掃除してあげようか?」
「それは助かるね。」「その変わり、欲しいものがあるの。」
「欲しいものってなんだい。」「昨日友達とうちの車でドライヴ
ごっこしていたら、可愛いピンクのハートの絵があるカードで
裏に電話番号みたいな数字がボールペンで書かれているの見つけ
たの。あれチーに頂戴。」

「あなた。言ってくれたら車ぐらいついでに掃除するわよ。」
「いやいいんだ、きょう暇だから僕がやっておくよ。」


【孫の思惑】 

「あれだねえ、孫なんてなあさあ、小さいうちは
ジイジイ、バアバアなんてすり寄って来て可愛いけど
大きくなったら来なくなっちまう、寂しいもんだねえ。」
「そうでもないよ。」「そうかい?」「うちなんかもう
大学生と高校生だけど、毎月一度は顔出してくれるもの。」
「それやあいいね、俺もそう願いたいもんだねえ。」
「二人とも優しくしてくれるんだが、一つだけ気に入らねえ
事があるんだ。」「何だいその気に入らねえことってえのは。」
「二人とも、年金が下りる日にやってくるんだよ。」「なるほど。」


【よくあること】

「もう年だね。」「どうかしたのかい?」
「昨日スーパーの駐車場でキーボタン押しても
ドアが開かないんで、おかしいなと思ったら
同じ型の他人の車だったのよ。それも息子に
言われるまで気が付かなかったんだから、もう
嫌になっちゃって・・。」「そんなのまだ軽いほうよ。」
「そう?」「わたしなんか、このあいだ我が家に隣の人たちが
入って来て、平気で飲み食いしてるもんだから呆れて、
『あなたたち、いい加減にしてよ!』て怒鳴りつけたら
変な顔して私を見るの。気が付いたらなんと!私が隣の家を
自分の家と間違えちゃってたの。ははははは笑えるでしょう?」
「ちょっと言いにくいけど、一度認知症の検査受けてみたら?」


【小柄な夫婦】

「若いときはさあ、大きな逞しい男とかさ
グラマーな女に憧れたけどさ。此の年に
なって思えばさ、お互いに小柄でよかったね。」
「ああ、介護の時に大きな身体じゃあとても
扱い切れないものねえ。」「ほんとほんと。」


【頭の回転】

「何言ってんだい!この私を見てみな!
身体はこの通り元気だし、頭だって
風車みたいによく回るよ。」
「だからクルクルパーなんだ。」

【玉にキズ】

キレイで、頭が良くて、品があって
でもお金が絡むと・・ウ~ン
ちょっと引いちゃうかも。


【見解の相違】

ママ(民代)「今月二人とも、お小遣いなし!
     この約束の書類の
     =今後、姉妹げんかはしません、もしした時は
     その月のお小遣いはいりません=
     という項目に明らかに違反してるでしょう?
     何か文句ある?」
    

妹(稲代)「ママにお答えいたします。今日の
     私たちの行動は、単なる言い争いであり
     いわゆる喧嘩ではないと理解いたしております。」

ママ   「そんなの言い訳に過ぎません!お姉ちゃんとして
      の監督責任があるあなたは、どう思ってるの?」

姉(安代)「妹は家族の一員としての責務は怠ってはおらず
      家族法に照らし合わせてみても、彼女の見解に何ら
      問題はないと考えております。」



介護終え、ホットしてたら
今度はあんた?!

ハネムーン過ぎれば
ギブ・アンド・テイクのはずが
ギブ・アンド・ギブ・アンド
ギブ・アンド・ギヴ もう、イヤ!

「常磐津の師匠が美人だそうじゃないか。」
「それがさあ、ネットの三十路の写真に惚れて
合えばびっくり六十路の婆さん。」

色恋の道を断つのに一苦労?
そんな君が羨ましいわさ

孫来たり心満ち足り空財布


《江戸っ子爺さん=喚問されるの巻》

某議員「川上八兵衛さん。あなたは今年の2月節分の前日
    町内の神社におまいりにいった際、社務所に行き
    『誤って賽銭箱に自分の財布を落としてしまった
    ので取り出して欲しい』と申し出て賽銭箱を開け
    させ、財布を取り出すと見せかけて、自分の財布
    以外に百円銀貨を余分に一枚奪い去った、との匿名
    メールが神社のホームページに投稿されたのですが
    この事を、お認めになりますか?

川上氏「議長」

議長 「川上八兵衛くん。」

川上氏 「今の訴えは、私、川上八兵衛を町内会会計係の座
     から引きづり下ろそうとする、何者かの仕組んだ
     卑劣な陰謀であり、私自身は天地神明に誓って、
     そのようなことは事実無根であり、全く身に覚え
     のないことであると、この席ではっきり申し上げ
     たいと思います。」

某議員 「あなたは昨日の私の質問にたいして、『私の長年の
     知り合いである友が冗談のつもりで、財布をまるごと
     賽銭箱に投げ入れて、自分の財布も投げ入れるよう
     誘導した後、彼だけがあらかじめ財布に結んで置いた
     細紐を手繰り寄せて回収したのを見て騙されたと気付き
     社務所に、誤って賽銭箱に財布を落としてしまったと通報、
     百円は財布の間に挟まっていたので、後で賽銭箱に返した。』
     と証言されましたが、この様な子供だましな話をだれが
     信じましょうや。さらに私どもの調べでは、あなたの行為を
     つぶさに傍で観察していた、山野熊蔵氏に宛て、あなたが、
     しばらく病院に入院するようにメールを送っていた事実を
     確認しております。これは、あなたの嘘がバレるのを防ぐ事が
     目的だったのでは ありませんか?正直にお答えいただきたい。
     如何ですか?」
  
川上氏  「私の述べたことは、先ほども申しましたが天地神明に
      掛けて事実であり、熊公、失礼、山野熊蔵氏はインフル
      エンザに感染した様子だったので友達として、彼を気遣い
      入院を勧めたのが真相であり、議員のご指摘は誤解としか
      言いようがありません。」

某議員  「議長、私はこの事件の解明のため、新たに現在入院中の
      山野熊蔵氏の証人喚問を要求いたします。」

― 「ねえママ。」「どうしたの?」「八兵衛爺ちゃんにお弁当いっしょに
  食べようって言いに行ったら、ベンチで寝ちゃってて、寝ごと言ってた。」
  「何て?」「『熊公のやろう・・・』とか、財布がどうのこうのって・・。」   

(2017.3.17) 


「あんた、この頃なんで顔洗わへんのよ、
 気持ち悪うない?」「歳寄り顔見るの嫌やねん。」
「それは言えてる。」

もう!シニヤ、シニヤ言わんといて!
大阪弁で「はよ、死にや」言われてる
みたいで嫌なんよ!


《江戸っ子爺さん=節分詣で》

「おおっ!どこのじじいかと思えば熊公じゃあねいか。」「おきゃあがれ、てめえも頭の禿げあがった年寄のくせによう。」「まだ節分前だってえの浅草の観音様に何の用でえ。はは~ん、さては俺様より先に節分詣でをして、後で自慢しようって魂胆か。見え見えだあな。」「おめえこそこっそりとお参りして一円玉しか投げられねえのに、一万円の賽銭を上げたって嘘っぱちを言い散らそうとしてたんじゃあ
ねえのかい。」「なんだとお、おい!熊公!この川上八兵衛様を見くびるんじゃあねえぞ。ようし!嘘か誠かその眼でしっかりと見届けてみろってんでえ。」「へえ~ケチでしみったれのてめえが一万円札を賽銭箱に入れようってんのかい。そんな事を本気にする奴ああ、世界中探したって誰一人居やしねえよ。ははは~んだ。」「よ、よくも言いやがったなあ。ようしやってやろうじゃあねえか、来な。」

ー賽銭箱の前でー
 「ほら、よく見てみろ、一万円札でえ。」「嘘だろう百均ショップで買った偽物じゃあねえのかい?」「うるせえ!いいか見てろよ。これを、この・・この賽銭箱に、入れるからな、よく・・・よく、見てろよ、ほら今入れるからな・・・。」「何でえ、今になって惜しくなったのか。」「イヤこの頃指先が妙に痺れて動かなくなってるだけでえ。」「いいか、八公、この熊蔵様のこの財布、ほら、金がたんまり入ってるのを見たか。これをこのまま、賽銭箱に、ほら!投げ入れたぜ。」「野郎やりゃあがったな!?ようし!俺も江戸っ子でえ、ここで引き下がっちゃあ、男が立たねえ、ほら!どうでえ!俺も財布ごと賽銭箱に入れちまったぜ。あっっ!てめえ何でえ!その指に引っ掛けてるタコ糸みてえなのは・・。」「ああ、こりゃあ落とさねえように財布にいつも括りつけてる細紐よ。こうやって引くと財布が手元に戻ってくる仕組みだあな。中から百円を取り出して賽銭箱に入れ、手を合わせて観音様に、今年の無病息災をお願いして。ハイさようなら。」

ー 寺務所の窓口でー
「あのう、すみません。」「はい、何か御用でしょうか?」「私、川上八兵衛と申すものですが、誠に御恥ずかしくて申し上げにくいことなんですが、先ほどお賽銭を上げようとして、その・・・財布を賽銭箱の中に落としてしまったのですが、何とかならないでしょうか?」「!?・・・・。」

(2017.1.28)
 


こらカラス勝手に畑のもの取るな
うるさいわい俺らも必死に生きてんのんじゃ

ほら見てみ晩生(おくて)のミカンまだなっとるわ
言わんとき後にオールドミスいてる

健康器具なんでそんなもん買うたん
うちの邪魔なんあげたのに

(2016.12.17)


【え!あのトランプが大統領!?】

人類の理想は一体何処へやら
金の亡者が仕切る世の中

おい(せがれ)!勉強止めて明日から
ババ抜きゲームに専念しろ
末は大統領にまちがいなしだ

ヒラリーが勝てばさすがは自由の国と
少しは汚名を返えせたのに

それ見ろ民主主義など茶番だと
敵に口実与えるようなもの

アメリカも落ちたもんだねあの男が
金の亡者と心中する気か

アメリカ号よトランプ載せて何処へゆく
品位どころか理念さえも捨て

トランプのゲームの賞品に相応しいのは
君の顔した首振り人形

金と欲 庶民のことなどそっちのけ

トランプの(ばば)あ抜かれて大勝利

大統領選!?ただのトランプゲームじゃん!

(2016.11.9)


〔江戸っ子爺さん = 運動会の巻〕

「はい、ここでごゆっくりご観戦ください。」「ああ、ありがとう よ。」「ほら、てめえもやっぱりジジイじゃねえか、意地を張ってもどうせこの敬老席にもどされるのは分かってたくせに。」「うるせえ!ここは敬老席じゃあねえ、頭の上のテントの字を見やあがれ。てめえのにやあ敬老席って書いてあるが、おれのにやチャンと山野小学校と、俺様の名字で書かれているのが眼に入らねえのか、ざまあみい!」「もう!熊ちゃんも八ちゃんも静かにして!誰が見ても、車いすに乗った二人とも同じ八十二のお爺さんよ。みっともないったらありやあしない。」「ほら見ろ!おめえのせいでお茂ちゃんを怒らせちゃったじゃあねえか。」「おめえが余計なことを言うからいけねえんよ。」

「食い物の恨みは怖いっていうけど本当ね、あの二人はね雄一さん、二年生の時にパン食い競争ってのがあったでしょう。」「ああ手を後ろに縛って駆けっこして、紐にぶら下がっているアンパンを食べて戻ってくるってやつ。」「そう、あの頃って今と違って戦争中で食べ物がない時代だったから、アンパン一個だって貴重だったのよ。それがね、ちょうどとなり同士で走ってた二人の内、熊ちゃんが八ちゃんを追い抜いて自分のアンパンを食べた後、八ちゃんの分も食べちゃったのよ。」「それがそもそもの因縁で、今も仲が悪いってわけ、かなるほど・・。」

― しばらくしてから、二人の居る敬老席に近づく人がいた。 
「あのう、山野熊蔵様と川上八兵衛様でいらっしゃいますか?」「ああそうだよ。あんた誰だい?」「はい私は銀座にある老舗のパン屋
の配送部の山本と申します。お得意様の金高雄一様から頼まれましてこれをお二人にと、では私はこれで・・。」渡された紙パックを開けてみると何だこりゃあ、アンパンが十個も入ってるじゃあねえか!?」「俺にも同じくアンパンが十個?????」 (2016/10/09)



〔チーちゃん=見~ちゃった〕

「ねえ、ママ。」「うん?」「ほら、あのカートに二つも山盛りのカゴ乗っけてるおばさん、チー知ってるよ。」「あの、白い帽子にサングラスを掛けた立派な身なりのひと?ママ見たことないけど・・・。」「昨日まで選挙カーにのってた候補者の田中さんだよ。学校の帰りに見たの。当選したんだって。」「へ~そうなんだ。」「この前見た時は地味な服装で、アンパン一個とジュースだけ買ってたのに、当選した途端にあんなに沢山買うなんて、議員さんてよっぽどお金が儲かるんだね!!」「シー!大きな声で言わないの・・・。」


〔お婆ちゃんの祈り〕  

「ねえ、あなた、お婆ちゃん、仏壇のお爺さんの写真に向かって変なこと言ってるわよ。」「ああ、あれも認知症の症状の一つらしい。お袋は親爺が亡くなったことが、わからなくなったみたいなんだ。」『どうかお願いだからお爺さん、私を置いて先に死なないで。ナムアミダブ、ナムアミダブ・・・。』


〔 ワンワン会話=プーとモモの巻〕

「よお!久しぶり。元気かい?」「あまり機嫌が良くないのよ。」「へえ?でも飼い主の顔は、そう見えないけど。」「そうじゃあなくって、ワ・タ・シ。」「きみが?!どうしたって言うのさ。」「見てよ、この左の肩の毛玉。この頃物価がジワジワ上がってるでしょう、だからうちの飼い主は年金暮らしだから、費用がいるって、今まで毎月美容院に連れて行ってくれてたのに、近頃は2ヶ月に一回になっちゃったのよ。こんな毛並みじゃあ恥ずかしくって外を歩けたもんじゃあないわ。それに、ドッグ・フードだってワン・ランク下に落とされちゃったの。私、前の方が気にいってたし、美容成分が多くてダイエット・タイプだったのにがっかりよ。」「そう言えば俺んとこも、味が落ちたと思ったら袋が変わってた気がするよ。」「ほら、あの娘みてよ。ミックスのくせにスゴイ豪華なドレス着ちゃって、あの首輪ひょっとしてダイヤじゃあなあい?ほらあのすまし顔ったら、あたしたちをまるで見下してるみたいな目付きじゃあなあい。ウ~!!!もう頭にきちゃう~!!!」「仕方がないさ。あの娘の飼い主はこの辺りでも有名な資産家だもの、羨ましい限りだね・・・。」

『お前んとこのモモちゃん、うちのプーとは仲良しなのに、あのミックスが通るたびに吠えるね。』『ああ、きっと相性が悪いんだろう。気にすんなよ。』  



三毛混じり野良の寄る背にも秋来たり

わしや餌やらぬ 猫は正直 後を追い


〔投票日近し=或る病室での老夫婦の会話〕

「なあ・・お爺さん・・・。」「うん?どないしたんや?何処か痛いんか?」「いいや・・今年の蝉は・・なかなか・鳴き泣き止まんなあ・・もうお彼岸やいうのに・・・。」「ええ!?蝉???」「さっきからうるそうて・・寝てられんのや・・・。ほら、また鳴きだしたやろ?」『美院!ミイン!美院美院!ミイン!美院!ミインでございます!明日の投票日には、美院!ミインをどうか宜しくお願い致します・・・・。』『鷲谷!ワシヤ!鷲谷!ワシヤでございいます!鷲谷!ワシヤ!ワシヤでございます!・・・』
 

〔チビッコギャング:可愛い罠=スーパーの総菜売り場で〕

「おじちゃん、はいどうぞ!」「どうぞって・・・このコロッケどうしたの?」「ママが食べなさいってくれたの、でもお腹がいっぱいで食べられないの。だからおじちゃんが代わりに食べてよ」「ごめん、おじさんも今、ランチを済ませたばかりで・・・。」「食べてくれないの?」「 ああ。」「そう、じゃあいいわ、ママ!ママ!このおじちゃん、わたしにへんなこというのよ。」「ええ!?ちょと待って、待って、分かったよ分かったよ、そんな大きな声ださないで、しかたがない、じゃあ食べてあげよう。半分かじられてるけどね。」「ありがとう、おじちゃんやさしいね。バイバイ・・。」「ああ、バイバイ・・。」

「あのう、お客様。誠に申し上げにくいのですが、総菜売り場での御試食はご遠慮いただいておるのですが・・・。」「ああっ、どうもすみません。実は、あの小さな女の子が、私にその・・いえ、なんでもありません。どうも、すみませんでした。」「ご理解いただいてありがとうございます。」「やれやれ・・。」


〔お盆の墓地で=ある先祖のつぶやき〕

「あんた、拝むのちょっと待って。」「どないしたんや、急にトイレでも行きとうなったんかいな。」「違うねん、ほら隣の墓花見てみいな。なんか気い付かんか?」「別に、ただの墓花やがな・・。」「そやからあんたは、うといちゅうねん!」「何がいな?」「ほら、うちの花とよう見比べてみいな。蓮の花が隣りの方が一本多いやろがいな。カッコ悪る!下の花屋であと二本蓮の蕾、買うて来るわ。」

『こいつらちっとも変っとらんなあ。あんたらの子孫はいつもあんなんか~?言われて、わしらの方がよっぽどカッコ悪いわ、ほんまに・・・。』 



〔スマホNEWサービススタートの日〕

「御免、おじいちゃん、帰るの今日や思たけど明日にするわな。新幹線に誰か飛び込みよってからに、えらい遅れて大混雑やがな・・。」「そっちもかいな、こっちも手漕ぎの昔の舟やし、帰省の亡者でいっぱいで、なかなか乗れんのよ・・。あっ!飛び込みよったんあいつやな~。一人だけこっちの岸に渡ってくる亡者が居るわ。」「しかし、科学の進歩て、えらいもんやな~。あの世とスマホで話せるやなんて、しかもリアルタイムで。」「ほんま。」
             (8月13日AM7:29:32)

〔フマン蝉〕

「ほら!あの木に止まったクマ蝉、変わった鳴き方しよるで~聞いてみ・・・。」「・・・イ~ヤ・イ~ヤ・イヤ・イヤ・イヤ!イヤ!イヤ!イヤ!イヤ!イヤ!イヤ!イヤ!イヤ!アベアベアベアベアベ・・・・・モ~イヤ!!」「あっ!飛んで行きよった・・・。」「わし等の代わりに鳴いてくれてるみたいやな。」
               (年金受取日の午後、公園にて)

〔江戸っ子爺さん=はっぴー館の巻〕

「やっ!く、くっ熊公。てめえこんなところでなにしてゃがんでえ。」「なんでえ・・何処のしみったれ(じじい)かとおもやあ、てめえだったかえ。」「何を言いやがる、てめえだって、ツルツル頭のガリガリ爺のくせにおきゃあがれ!」「なにおう~!?ところで、てめえこそこんなところでなにしてやがんでえ。それに俺のまねして車椅子なんかに乗りやがって、そんなに俺のまねをしたいのか、このスットコどっこい!はは~ん、お前息子夫婦に愛想をつかされてこのホームに入れられたんだろう?ほら図星だ、その情けねえ顔を見たら誰でも気が付かあ・・。」「ふん!てめえこそ娘夫婦に嫌われて、ここに放り込まれたくせによく言うよ。」「・・・・・・・・。」
「・・・・・・。」「何でえ急に黙りこくってよう。」「てめえこそ。」「それに何でえその眼は・・。」「ちょっとゴミが入って潤んだだけでえ・・。」「あら!お二人ともどうなすったんです?涙なんか流して・・。」「あっ!あなたは、ヒョットしてあの昔ミス日本代表に選ばれた本山スマ子さん!?」「あらっ、私のこと覚えてくれてたんですか~嬉しい!!三年前に主人を亡くし、このホームに入りましたの。よろしくね・・・。」「俺はその、いや私は山野熊蔵と申しまして、私も最近妻を亡くしまして、独身です!」「あの、申し遅れまして私は、川上八兵衛と申しまして、この熊公、いや熊吉よりも一年も早く独身に戻りました。御眼に掛かれて光栄です。もしよろしかったらお近づきの印に、自動販売機のコーヒを一緒に如何ですか?」「いやあ、それよりも私の部屋で一緒にテレビをごらんになりませんか?」「それがその・・。先約がありまして。」「ああ、スマ子さん、お待たせしたかな・・。」「いいえ、ちっとも。」「ててめえは、あの・・・。」「雄一・・。」「やあ、お久しぶり。レディの前じゃ、スーツを着なくちゃあ失礼だよ。二人ともそのステテコ姿じゃあねえ・・。」


アベアベ(アレアレ)と言う間に憲法捻じ曲げて
真っ直ぐだと言い切る呆れた心臓(しんぞう)

「なあ、ちょっと聞いて。302の春野さん。あんな顔して、私のお尻触りよるんよ。」「そら誰でも触るわ。」「え!?」「あんたの背中に
『お尻触って』て書いた紙張られてるもん。」(ナースステーション)

「また、おかしなこと始めよったわ。このおばはん。ちょっと、あんた!御茶をスプーンでかき回してどうするねんな。そんなん、かきまわしてもいっしょ!はよ飲んでしまいいな!」「ちゃうねん、となりのあんたが一々うるさいからはよ死にゆうて、呪い掛けてんねん。」「怖わ・・・。」(認知病棟)

ビー!ビー!「ちょっと、春野さん!後で行くて言うてるやろ。何回も押さんといてくれる!」「ほら、三回目に怒りよったやろ。今日はわしの勝ちやな。ほら、はよ1000円出さんかいな。」(退屈しのぎ)

ビー!ビー!「はい。どうされましたか?」「今返した食器のなかに入れ歯入れとんねん。はよ取り戻して来て!残飯と一緒に捨てられたらかなわんよってに。」

ビー!ビー「はい。どうされましたか?」「看護婦さん 、テレビのチャンネル変えてえな。わし最近国会中継見ると腹たつねん!」

最近絶滅危惧種に指定された動物って、それホモ・サピエンスのことやろ?うちらとちゃうやん!

若き人 色恋嫌い子も嫌い
励むはスマホの指での掃除

銀銭を 投げれど指が離しかね
銅に帰ればすんなりと飛び (節分詣で)

ひょっとして 値上げをせしか 疫除け饅頭

霜の世話 何時の間にやら (しも)の世話

下の世話 終われば自分がされる側

清らかな心では無理 (しも)の世話

忘れても 通帳だけは胸に抱き (認知症)

願うのは 財産忘れて施設入り (介護嫁の独り言)

もうそろと 引き時かもな人間も

近頃は ワンコやニャンコが楽に見え

空財布 捨てれば別の人が手に

税込みの安さに乗せられ使い過ぎ (スーパーで )

宝くじ 列にはセレブ見当たらず

キャリーオーバー数億円?そんなに当たらんなら買わんとこ (宝くじ売り場で)

賽銭(さいせん)の 飛び交う前ではフード脱ぎ( 初詣 )



〔江戸っ子爺さん = 余計なお世話 〕


 「おい、熊公、てめえ何やってやがんでえ。」「何でえ、誰かと思やあ、八兵衛かい。この夜更けに何の用でえ。」「別に、その・・何だあ、このひでえ雨に昔から気のちいせえおめえのことを・・その別に、心配してるわけじゃあねえんだぜ!ただ、ちょっと気になったもんだからよう・・。」「へえ~?そうかい・・・昔から、おめえのお節介にゃあ、迷惑していたが、まあ何だ。いつもなら、うるせえ!この野郎うちゃっときやがれと、電話を切るところだが、今夜は、その・・雨の音が怖えからじゃあねえよ!ただその音がうるさくて眠れなかったもんだから。仕方なく聴いてやらあ。で、俺んちの前の川がもし、溢れっちまった時やあ、どうしたらいいんでえ。言いやがれ!」
「いつもながら、口の減らねえ野郎だ。いいかよく聞け!そんなときや、決して外に出て様子をみたりしちゃあ、危ねえ。婆さんと二人二階上がって寝るんでえ、分かったかい?」「ああ、そんなこたあ、その、てめえに言われなくとも、とっくに承知やしていたがまあ、聴いといてやらあ・・。で、おめえんちは、どう何でえ。別に心配えしてるわけじゃあねえんだよ!ただ、その・・。」俺のことは、気にしなくていいんだよ。息子夫婦が、直ぐ近くに居るから。おめえんとこは、婆さんと二人暮らしだからよう・・。まあせいぜい気を付けな。じゃあ切るぜ。いいか?」「なんでえ。てめえにそんな優しい声なんかあ、似合わねえぜ。このお節介野郎め。じゃあな。」 ガチャッ!「野郎、俺より先に電話を切りゃあがった。くやしい!もう一度掛けてやろう・・。おい!もしもし!熊公、てめって野郎は・・何を・・・。あっ、すみません!間違いました・・御免なさい・・・。」 カッチャ!




〔 江戸っ子じいさん = かき氷を食う 〕


 「お茂ちゃんこんにちわ、何十年経ってもマドンナはいつ見てもキレイだねえ。」「ああ、熊ちゃん、いらっしゃい!ほらそこに八っちゃんも来てるよ」「おお、やっぱりでえ、貧乏人は哀れだねえ。一番安い苺ね。こちとらあ一ランクうえの、ほら、とろけるようなおミゾレさんよ。」「おきゃあがれ!金持ち程けちるって、ことを知らねえたあ、とぼけた野郎だ。それに今日も、何の色気もねえミゾレけえ、もてねえ野郎はすることも無粋だねえ。」「あんたたち、小学校の時からお互いに意地っ張り同士だったけど、他人から見たらみっともないったらありゃあしないんだから、もう歳だし、いい加減に仲良くしたらどう?」「やあ、久しぶり、茂子さん。」「あら雄一さん!いらっしゃい!カキ氷食べにくるのにわざわざ予約のお電話しなくてもよろしいのに。」「いえ、あなたが忙しいといけないと思って。」「まあ、相変わらずおやさしいのね。それにその麻のスーツ、いつも乍ら、とってもお似合いよ。」「あなたにそう言っていただけると、とっても嬉しいなあ。」「何になさいます?」「じゃあいつもので。」「宇治金時スペシアルをダブルミルクですね。心を込めて作りますから少々おまちくださいね。」「あっ!茂ちゃん俺にも追加で、宇治金なんとかミルク!」「おれが先にそれ注文しよう思ってるのに、横から口出しするんじゃあねえよ。」「何言ってやがるんでえ、俺が先だってば!」「俺が先だって言ってるだろう!?」「もう!二人ともいい加減にして!それ以上食べたらお腹を壊すから、ダ~メ!」 「は、はい。」「おれやあ、大丈夫でえ!」「ダメだったら、ダーー
ーメ!!」「じゃあ、蜜もう少しだけかけて、ね。お願い・・・。」




ひねくれ者 作りし胡瓜もひねくれて

ヘソ曲がり 作りし胡瓜りも曲がりたり

厄介な 我儘爺いが誕生日 祝う矢先に親戚の 人亡くなりて笑うに笑えず

母の日に 喜びて品の封解けば ボケ防止するアロマかあれまあ


〔 江戸っ子爺さん = 歌舞伎の舞台を踏む 〕

     五月老人会歌舞伎公演より  

  演目  食い逃げ小僧チョコのペチャ胸 駄菓子屋の段

  出演  山野熊蔵   (駄菓子屋主人)

       川上八兵衛  (食い逃げ小僧引之助)

    某町内会館5月吉日にて収録


「おっと、そこのお若えの、いやお老けえの~お待ちねえせいやし!」「待てとお留めなされしは、わちきのことで~、ありんすか~?」「いかにも、いまそなたのそのペチャンコの、胸に入れしチョコレート、それやあひょっとして~、黙ってもって~帰えるつもりじゃあ~、あるめえ~な~?」「なに、このふくよかな、わちきの胸に何かを入れしとか~?!」「いかにもこの目でしかと見届けた~。」「何!しかと見たと~!?」「ああしかと!」「その目でしかと!」「ああ、しかと~!見た、見た、見た、見た、見た~!見抜いたぞよ~」「さあ~」「さあ~」「さあ、さあ、さあ、さあ」「さあさあ、さあ~!さあ~!!」「きりきり~とお~!盗みましたと!白状しねい~かい!?」「・・・・たっ!・・ほ~ほ~ほ~ほ~ほほほほほ~、アハアハアハハハハハ・・・。せっかく五月の快い、風に吹かれて一仕事、しようとしたのに野暮天に、見られたとあっちゃあ~仕方がねえや、おう!こうなっちゃあ、逃げも隠れもしやしねえから、とっとと役人呼びつけて、お縄にでも何にでも~、好きにしやあがれ!」「さっきと打って変わったその声やあ~まぎれもなき男声、さてお前はいってえ~何処の~誰でえ?」「何!この俺様を知らねえとお~!たっ!知らざあ言って~聞かせやしょう!」待ってました!江戸っ子屋! 「花のお江戸は八百八町、分けて流れる大川の、隅に浮かべた小舟の中で、産声上げたが周りにや、誰も稲荷の大明神、拝んだ帰りの婆さんに、拾われ柳のあばら家で、飲まず食わずの育ち盛り、すきっ腹に耐えかねて、鮓の屋台の留守中に、つい手を伸ばしての盗み食い、帰えった店主にバッテラの、ばれて終いに牢の月、眺めた後も、次々と、飴屋団子屋漬物屋、蕎麦屋に八百屋に天麩羅屋にと、その手を伸ばして悪行の、限りを土筆の春先に、顔を覗かせたこの店で、とんだドジを踏んじまった、食い逃げ小僧の引き之助たあ~!!俺がことよ~」 

 ヨッ!江戸っ子屋!日本一!



新居を建てし倅に引っ越しせよと促され 
喜んで着きたる先は老人ホーム
本人ガックリ 嫁はニンマリ

〔 ドタキュンコンビ = 社員旅行 〕

「去年と違っていい天気だし、季節も最高。我々ひとり者にとっちゃあ社員旅行もいいねえ、気楽で。」「ああ、既婚者にとっちゃあ、家族サービスで、G・ウイークも大変らしいからねえ。」「ほら、海が綺麗だ。」「ほんと・・。」「ミカンの花が~咲いている~思い出の道~丘のみち~・・」「お、久しぶりに始まったね。」「遥かに見える~青いう、う、み。」「どうしたの?急に声つまらせちゃて・・。はは~ん、この歌にはひょっとして何か悲しい思い出でもあるのかなあ。はいハンカチ、これで涙を拭いて、失恋でもしたのかい?それともこの後の歌詞のように、やさしいお母さんのことでも思い出して泣いているのかなあ。」「ハハハハ、ハックション!ハックション!ハックション!」「なんだ、ただの花粉症かよ。」



〔 チーちゃん = ねえパパも作って〕

「ねえ、パパ」「何だいチーちゃん。」「この前さあ、保育園で庭にある苺の実を獲ってみんなで、食べたんだよ。とっても甘くて、美味しかったんだ。でも一粒だけしか食べられなかったの。」「うん、お友達たくさんいるからねえ。」「チーちゃん、あの苺もっと食べ
い。」「ようし、じゃあパパが苺の苗買ってきて、庭に植えよう!」「ほんと!?パパうれしい!ありがとう。」 

― 2週間程たってー 「ねえパパ?チーお願いがあるの。」「なんだい?言ってごらん。」苺の苗の横に並べてあるえんどう豆のプランター、どこかに持っていってよ。」「どうしてだい?」だって えんどう豆の木、大きくなって、もしも天まで届いたら、大男が降りてきてチーちゃんの苺みんな食べちゃうかも知れないもの。」

 

〔 江戸っ子爺さん = 孫の遠足 〕

「よう、熊公。いい天気だなあ、そんな小さいガキを連れて、いってえ何処に行こうってんでえ。」「てめえの方こそ、メダカみてえなチビ連れて婆さんの墓参りでもしようってえのかい。」「ふん!おきゃあがれ!これからでえじな孫が遠足に行くのを、学校の前までお見送りにいくのよ。」「遠足だあ~へん!どうせ近くの公園だろうよ。こちとらの孫はなあ、ようく聞きゃあがれ。デズニーランドのお城にお出ましでえ、格が違わあ。」「古いねえ。生憎こっちは最先端の東京スカイツリーよ。シンデレラ城何ぞは。まるでおもちゃのように見下ろせるぜ。」「そうかい、やっぱり昔から、馬鹿と煙や、高けえとこに昇るってえねえ。いやあよく言ったもんでえ。おっと、てめえ何ぞとかかわってる暇はねえんでえ、バスに遅れちゃあ、この子の為に待ってくれてる皆に、申し訳がたたねえ。ちょい御免よ道開けてくんねえ。」「てめえの方こそ邪魔でえ、早く道を開けねえかい!」「ようし、それじゃあ、どっちが先に開けるか、じゃんけんで決めようじゃあねえか。」「仕方がねえ、そうしてやらあ。」「じゃんけん、ぽん!」「あいこでしょ!」「ねえ純くん。」「何だいチコちゃん。」「お爺ちゃんたち放っておいて、早く行こうよ。」「うん、そうだね。チコちゃんちのお爺ちゃんと、うちのお爺ちゃんとはケイエンの仲だって、パパが言ってたもん。敬遠しちゃおう。」


〔 江戸っ子爺さん = 英語講座 〕

 「ああ、爺さんおはよう。いい天気だね。」「グッドモーニング、イエス、イッツファインデイ。」おお!スゴイ!爺さん英語じゃあないか。どうしたの?」「いやあ、熊の野郎が英語を習い始めたらしいから、俺も始めようと思ってさ。ほらラジオの講座のテキスト、これ買ってきて先月から練習してんだよ。」「偉い!歳がいってから新しいことに挑戦すると認知症に掛かりにくいらしいよ。」「そうよ、
あいつだけにゃあ負けたくねえが、風邪なんかと違って呆けるのだけは、先にに呆けた方が負けだあな。だろう?」「そのとおり!だけど、随分たくさんテキスト買ってきたんだねえ。そんなに買ってきて練習大変なんじゃあないの?」「大丈夫さ、みんな練習するわけじゃあねえんだよ。」「じゃあなんでそんなにたくさん買ったんだい?」「熊の野郎に先に覚えられたんじゃあしゃくだからさ。あちこちの本屋回ってあいつよりも先に今月の英語テキストみんな買い占めてきたんでえ。こうすりゃあ、野郎もお手上げだろうよ。ざまあみあがれ!」「でもさっき公園のベンチで熊蔵さん、確か・・・フランス語のテキスト見ていたように思ったけど。」「何!フランス語だあ!?野郎そんな卑怯な手を使うたあ気がつかなかった。ようし!こうなりゃあフランス語も覚えて、何としても奴よりも先に海外旅行に行かなきゃあこの気が治まらねえ。おう、そうだ、こうしちゃあいられねえ。フランス語のテキストも買ってこなくちゃあ。シー・ユー・レイター!」

あんた わしのイライラした顔見て 
ようして10円玉で払ろてるやろ! (混み合ってるレジで)

「1200円のお買い上げになります。
1200円ちょうどお預かりします。」
「預かる?返してくれるのんか。ほな待ってるわ。」
「???」    (中、小のスーパーで)

おっかしなあ、何ではキー入いらんのやろ?ああ、危な・・・ 他人のバイクやった! 

これワシのんや 誰が取るかそんな安もん! (スーパーの包台で)

あのクソ爺い! 鏡を見ればワシも爺いや

そら誰でも逃げるわいな あんたその顔でサングラスにマスクかけたら 


〔オシラケカップル トンコ&シン=お花見〕

「ねえ、トンコ。今度の日曜お花見に行かない?」「ヤダ。」「どうして?桜の下でお弁当食べたら美味しいよ。」「だってお弁当作るの面倒だもん。」「じゃあ、お弁当屋さんで買って行ったらいいジャン。」「高い。弁当二つで千円以上するもん。」「いいよ。僕が払うから。」「ペットボトルのお茶付?」「もちろん。」「じゃあ行く。」



〔 チーちゃん = メダカの兄弟 〕     

「ねえ、パパ。」「何だい、チーちゃん。」「こっちのメダカは逃げなくて、チーの指先に寄って来るのに。そっちの水槽のメダカは、なぜ逃げちゃうの?」「それはね。そっちのメダカは池に居るのを人が網で掬って捕まえたから、人を怖がり、こっちのは家で卵から生れて人に慣れているからだよ。」「フーン、そうなんだ。じゃあこっちのメダカはチーの兄弟だよね。」「え!?まあ、そう言えば、そうかなあ・・。」

その日の夕方 ー 「ねえ。」「何だいママ。」「チーの様子が変なのよ」「チーちゃんが、どうかしたのかい?」「ほら見て。さっきからオムライスの残りのご飯粒、ひと粒づつお皿に並べて、これがメーちゃんの。これがダーちゃんの。これがカーちゃんの、とか、わけの分からないこと言って、風邪で熱があるせいなのかしら。お医者さんに連れていったほうがいいんじゃあなあい?」



 〔 江戸っ子爺さん = 初   鰹  〕

「やい、熊公!これを見やがれ。」「何だいこれやあ。」「何だとう?てめえの眼や、節穴か?鰹にきまってるじゃあねえか!」「鰹!?へん!嘘でえ。生き腐れになった鯖の白い腹に、墨で横線引いただけじゃあねえか。人を騙すにもほどがあらあ。おめえみたいな貧乏神に、三月の初鰹なんざあ、ほら、あの富士山みてえな高嶺の、その高嶺の、そのまた高嶺の花よ。」「言いやあがったな、この野郎!ようし、まな板と出刃持ってきな。鯖か鰹かてめえの眼前で捌いて、見せてやろうじゃあねえか。」「ああ、いいよ。持ってくるから、やってみな。」「ほうら、見ろい。これが鯖か?ああん?鯖がこんな赤い締まった身をしてるかと訊いてるんでえ。何とか言いやがれ!」「口から、まずい酒でも流し込んで酔わせただけさ。分かるもんか。」「てめってえ奴は、どこまで曲がった根性してやがるんでえ。ほら、こいつを一口食って見ろい!どうでえ、分かったか!」「さあなあ、一口二口じゃあ何ともいえねえなあ・・。」「ええい!これでどうだ!」「ううん、だいぶ鰹かなと思えてきたが・・。いいや!騙されねえぞ!」「この野郎、なんてえ強情なんでえ。もっと腹いっぺえ食らやあがれ!どうだ!どうだ!どうだ!どうだ!これが最後の一切れでえ!これでもまだ鰹じゃあねえと言い張るつもりか!」「ああ・・美味かった、御馳走さん。やっぱり今年も初鰹を食ったなあ、おめえよりこのおれ様の方が早かったな。ざまあ見やがれ!」「ああああ!てめって野郎は!とほほほほ・・・俺やあ、まだ一口も食ってねえのにみんな平らげやがった。畜生~!!!」



お爺ちゃん、それは、お・む・つ、頭にかぶるもんと違うねん。

はい。飴なめや。あんたそんなにしゃべったら、
口酸っぱくなったやろ。

ええ!あの先生!? 
今日はリハビリ止めとくわ。

ああっ! おばあちゃん・・。
.それシュークリームやで、 
皮剥いてどうするんねんな

腹手術して 漫才見たら 痛い!おもろい!

お互い止めへん? お菓子配るの 
うち糖尿の気えあんねん

ポータブルトイレ置いたら カレーは食えん!

ナースコール 試すのだけは止めといて

介護する 私の方も骨が折れ 


〔 ドタンキュコンビ= 雛人形 〕

「きみも食べてみる?」「おお、雛あられ。あっそうか、明日三月三日雛祭りか・・。」「灯りをつけましょぼんぼりに~」「おっ、始まったねえ。「お花をあげましょ桃の花~五人囃子の笛太鼓~今日は嬉しいひなまつり~。」「へえ。珍しくハプニングなしに終わった
ねえ。ところでこの間お孫さんが出来たって言ってたけ確か女の子だったよね。お雛さん買ってあげたの?」「ああ!!そうだった!忘れてた。今日女房と雛人形 買いに行く約束だったんだ。大変だあ~急がなくちゃあ!!」「ああ、危ないよ!その角に郵便ポスト!」ガアン!「ほら言ったでしょう。ポストがあるって・・。」「・・・紅い~お顔の・・ポストさん~・・・。」ドタ!!「ああ、やっぱりね。」


 〔 江戸っ子爺さん=花見 〕

「ねえ、爺さん、莚にカップ酒なんか持っちゃって、何処いくの?」「野暮なこと聴くんじゃあねえよ。花見にきまってらあな!」「花見!?この寒いのに!?ああ、梅の花ね。」「何!?梅だってえ、何を言ってやがるんでえ、べらぼうめえ。花といやあ桜にきまってるじゃあねえか。」「だって、桜なんてまだ蕾が固くて咲かないでしょう?三月の下旬にならないと・・。」「おめえなあ、そんなこと言ってるから、けつが青いっていわれるんでえ。いいか!?江戸っ子てえなあ、粋でなくちゃあいけねえ。咲いた桜をみるなんざあ、野暮天のすることよ。誰よりも先に花見に行ってこそ、江戸っ子の鏡みってえもんじゃあねえか。去年は熊の野郎に先を越されちまってよう。
悔しい思いをしたもんだが、今年はそうは問屋がおろさねえ。」「あっ、そういえばさっき熊蔵さんに会ったっけ。」「何!?熊の野郎に!?しまった!一足遅かったか。野郎待ちやがれ~!!!」
 
そのあくる日のこと ― 「ハクション!」「ああっ!爺さん。風邪引いちゃったんでしょう。昨日みたいな寒い日に、半纏一枚で花見に行ったりするからだよ。」「誰よりも早く花見に行って、風邪をひく、これが・・ハクション!!江戸っ子の粋ってもんなんでえ。ちなみに花見じゃあ奴に先を越されたが、風邪を引いて医者に行ったなあ、おれの方が早かったんでえ、ざまあみやがれ!ハハハ・・ハックション!!!」


 〔オシラケカップル トンコ&シン〕

「ねえ、トンコ。」「うん?」「鯛焼きってさあ、何で鯛焼きっていうのか知ってる?」「鯛の形してるからじゃあないの。」「でしょう?」「だったら、たこ焼きはさあ、タコの形しているわけじゃあないのに、何でたこ焼きなのかなあ・・。」「シン。あんた、そんな
話して、割り勘ごまかそうとしてるでしょう。」「バレた?」


 〔ドタンキュコンビ=雪と鯛焼き〕

「美味しい!やっぱり鯛焼きはやきたてのをホカホカを食べるに限るね。」「ああ、ほんと美味しいねえ。」「毎日~毎日~ぼくらは鉄板の~」「ああ、又始まっちゃったよ。」「上で~焼かれて~いやになっちゃうよ~ある日ぼくは~店のおじさんと~喧嘩して~海へと~にげこんだのさ~。ああ!!一個落としちゃった・・。」「ほら、やっぱりね。ほんとに逃げちゃったよ。でも鯛焼き君にはお気の毒だけど、よかったね。きれいな雪の上で。」


 〔 ウオーキングマン=仲良し夫婦 〕

「おはようございます!いつもご夫婦でお歩きになって、とっても仲がおよろしいですね。」「なあに、こいつがついて来てくれっていうもんですからね。」「何言ってんだい!あたしゃ、そんなことこと言ってやしないよ!あんたが、心細いから一緒に来てくれって言うんじゃあないか!」「何だと!?やい!この前転びそうになって、俺の腕に縋りついたなあ、何処の誰でえ!」「何言ってんだい。このすっとこどっこい!」「よくもいいやがったな!この梅干し婆あ!」「へん!そんな梅ぼし婆あに一緒になってくれって、泣いていて頼んだなあ。眼の前の、このもうろく爺いじゃあないか!」「何を?もう一度いってみろ。ただじゃあおかねえぞ!「ああ、何度でも言ってやるよ。このもうろく爺い!」「まあ、まあ・・お二人とも・・・。喧嘩するほど仲がいいか。あ~あ、余計なこと言わなきゃあよかったなあ。」

 
 〔 江戸っ子爺さん=金メダル〕 

「こう見えても、俺も昔元気だった頃あ、よく兄弟でメダル争いしたもんさ。」「ええ!?メダル争いって・・爺さんが?」「ああ、そうともよ。兄弟の中じゃあ俺が一番強かったもんだから、独占しちゃってさ、他の兄弟を泣かせちまって、いまから考えりゃあ、一つぐらいはやってもよかったなあ。金のやつなんか一個ありゃあ、じゅうぶんだったのによう。」「それって、何時の事?」「そうさなあ、かれこれ、60年は経っちまったかなあ・・。」「ふ~ん。で場所はどこ?」「場所はどこだって?おらあ江戸っ子でえ、東京にきまってるじゃあねえか。」「で、競技は?」「レスリングだよ。」「僕はまだ生まれてなかったし、そんな年に東京で開催されてたかなあ?」「ある時さあ、忘れてポケットに金メダル入れて歩いてたら、溶けちまって食えなくなっちまってさあ。指突っ込ん、まつわりついたのをなめてたら、母親に見つかって、見っともねえからやめろって、しかられたよ。」「ええ!?溶けたメダル食べたって!?」「だって中身、知らなねえかい?いまでも時々見るよ。スーパーのお菓子売り場で、金メダルのチョコレート。」


 〔 江戸っ子爺さん= バレンタイン 〕

「おっ!爺さん。スゴイじゃねえか、そのチョコレート!しかもみんな手作りじゃん。」「いやあ、たいしたこたあねえよ、毎年これだもん困っちまってさあ。せっかく心のこもったもんばっかりだから、食べなきゃあばち当たるとおもって、去年は食べ過ぎちゃって腹あ壊し、往生したよ。」「よ!色男!」「止めてくんな。こっぱずかしいよ。どうだい食ってみるかい?」「じゃあひとつだけ・・へえ、ハートの形のクッキーの表にチョコが塗ってあって、裏にチョコで名前が書いてあるね。」「ああ、みんなおれがクッキー好きなの知ってるからよ。」「ほかのも見せてよ。愛ちゃん、ユカちゃん、みっちゃん、まりちゃん、へえ~爺さんこんなに人気もんだなんて知らなかったよ。まるでアイドルなみじゃあないか。」「周りを二、三十人の可愛い子に囲まれて揉みくちゃになってみな。たんまんないよ。」「へえ~そうだろうなあ。僕もそんな気分味わってみたいもんだなあ。」「じゃあ、明日連れてってやるよ。俺の友達っていやあ、おめえも、
もてることま違いなしでえ。」「ほんと!?うれしいなあ。」

その翌日― 「さあ、きょうもみんなの大好きな、アンパン爺さんがきてくれましたよ。しかもきょうは、もう一人のお友達もいっしょですよ!」「ワアイ!!」「おい、どうだい、こんな可愛い子どもたちに揉みくちゃにされる気分は!最高だろう?」「ああ、悪くないけど、爺さんが幼稚園のボランティアやってるなんて、知らなかったし、それにバイキンおじさんの縫い包み着せられるなんて想いもしなかったよ。さあ、おじさんと握手しよう!だけど後できれいに手を洗おうね、お約束だよ!」
    
    
 〔 巷の噂 - 宝くじ 〕

「当たらねえもんだねえ・・。」「どうしたんだい?」「いやあねえ、宝くじ。夢を買うっていうが、たまにゃあ、ドーン当たってほしいもんだと思ってさ。」「あのな。こう思えばいいんだよ。」「こうって?」「俺にゃあ、使い切れねえほどの金が有る。しかし使やあ金が減っちまう。そこでなかなか使えねえように滅多に当らねえクジ拵えて、当たった時だけ使おうとしてるんだ、とね。そして一生当たらねえときにやあ、その権利を他人に譲ることにした。こう思えば気楽だし、当たった連中にひがむこともなくなり、例え金が無くても、いつもリッチな気分でいられるだろう?」「なるほど!」
     

 〔 巷の噂 - 宰相の試練 〕

「やっと苦労してここまで来たな・・。この深々とした、レザーの椅子。歴代の宰相が座ったと思うと感無量だな。」「閣下!」「うむ。」「明日のご予定ですが。」「ああ。」「まず第一に、明朝5時から公衆便所の掃除を二時間。続いてゴミ回収作業を2時間。そのあと生活保護の査定体験を約1時間。昼食は刑務に服する人々と一緒に調理した後、閣下には特別ご用意した、夕べ捨てられたばかりの新鮮な残飯を心ゆくまでお楽しみいただきます。午後からはホームレスの人々との楽しい語らいの後、夕食は、かれらの用意してくれた公園の
ベンチでの歓迎パーティーで 、そしてその夜は彼らとともにビニールテントの中、ダンボールのベッドで凍え死ぬような一夜を体験・・・。」「何だって!?まさかうそだろう!?」「いいえ。閣下、歴代の名宰相と言われる方々は悉く、このスケジュールを喜んでクリアーなさいました。」「そんな、ばかな!私はこの国の宰相なのだぞ!それなのに、何故そんなことをしなければならないんだ!!」   

「あなた・・。そろそろ起きないと、国会に間に会いませんよ。」「はっ!・・・何だ・・夢か。」 

(知らない国のあったかどうかも解らぬ話)  
    



そっちはよくてもこっちがこまる はやくかえしてこちのひと    


頼みますぞえ 渡世の義理で 受けた恩義にゃあ命懸け


     
    〔 巷の噂 - 届けもの 〕   

  ピンポーン!「はい。」「山田ですけど、畑で大根出来たのでお持ちしました!」ピンポーン!「はい。」「鈴木ですけど、新鮮な大根お持ちしました!」ピンポーン!「はい。」「田中ですけど、主人が作った大根食べてくださらない?」ピンポーン!「あの、もう大根は・・。」「宅配便 です。ハンコお願いします。」「ああ・・よかった。」 = 好子、元気か、じいちゃんが丹精込めて作った大根沢山たべてね =  バタッ! 「もしもし!奥さん!大丈夫ですか?!」


    〔 巷の噂 ー 孫言葉 〕

「ねえ、婆ちゃん。」「何だい?」「僕の友達0000ゲーム、バリ、うまいんだって。僕も欲しいから買ってくれない?」「何処で売ってるんだい?その何とかいう煎餅は。」

〔 ドタンキュコンビ=雪が降る〕
    
「うああ!見て。すごく降ってきた!ロマンチックだなあ。雪はふ~る、あなたは~来ない・・」「また、始まっちゃったよ。まあ今日は素面だからいいか。でも空ばっかり見てちゃあ危ないよ。 地面がカチカチに凍ってるもん。」ツルッ!!「ああっ!!」ドタッ!!「ほら~。だから言わない こっちゃあない。頭打っちゃったみたいだけど、大丈夫!?」「・・・星が~ふる~わたしは~・・・。 だ~れ~・・・。」「やれやれ・・。」


    〔 巷の噂-豆まき 〕 

「節文。俺大好きなんだよ。この日を首長くしてまってたんだ。」「そう?」「豆まきすると、なんだか一年分のストレス発散出来てす~っとするもんね。」「そうよね。」「じゃあいくよ。福は内。鬼は外!鬼は外!!鬼は外!!!」「ちょっとお~。私に向けて投げつけないでよ!」


    〔 巷の噂 - 僕の彼女〕  
    
「おい!鼻歌なんか歌っちゃって、なんかいいことあったのかよ?」「わかる?実を言うと、彼女が出来ちゃったんだも~ん。」「へえ~!?、やったじゃん!ねね、それでどんな娘なの?髪は?」「そうだなあ~、ちょっと短めでカールしてるかな。」「眼は?」「パッチリつぶらな瞳。」いいじゃん、いいじゃん。それで背の高さは?」「僕よりだいぶ低いね。」「でもう、付き合ってどのくらい?」「まだ
、一週間。でも、もう一緒に寝起きしてるもん。」「そんなに早く!羨ましいなあ。」「僕が帰ると、チューって。」「う~ん焼ける焼ける!」「で彼女の名前は何ていうの?」「ジェニー。」「えっ外国産なの?、スゴイ!」「でも食べ物に贅沢なんだよなあ。」「そんなに?」「ああ、外国産の高級品でなきゃあ食べないから困っちゃうんだよ。ドッグフードなのに高くって・・。」「何だ、犬かよ!」


    〔 巷の噂 - 介護窓口 〕

「初めまして、認知症相談窓口担当の和泉ともうします。春野さんでしたか。で、どういうご相談でしょうか?」「あの、その、それが解らなくて、来ました。」「はあ?すみません。感知・・?いや、産地?あっ、認知症ケア担当の和泉と申しますがええ~っと、夏野さん?ああ、ごめんなさい。冬野さんでしたね。で、何しにいらしたんでしたかね?」「確か~相談じゃあなかったですかね。」「相談?
ちがうでしょう。あなた、ここ何処だと思ってらっしゃるんですか?」「何処ったって、食堂でしょう?」「じゃあ、今、何を注文した
か、あなた分かってらっしゃるんですか?」「今、10時32分ですけど。」「そうじゃあなくて、あ・な・た・の・生年月日を聴いてるんです!」
     
「あの、すみません。隣のブースのラジオ消してくれません?僕いま、漫才聞きたい気分じゃあないんで・・・。」


    〔 巷の噂 - 訳わかんない 〕
    
「僕たち、スキー場で知り合ったんです!」「ええ!そうなの!」「そして、その日のうちにお互い好きになっちゃって!」「そうなんです!」「そして、その日の夜に、その・・そう、なちゃって。」「いやだ~!」 「あの、お話中ですが、お二人ともここ、離婚相談窓口なの、ご存じですよね?」  


灯油買えば 懐寒くて風邪を引き

    
お年玉くれた時にはジジ~イ、
バアバア~、くれぬ時には爺い!婆あ!

    
早期治療、早期退院 、
なんぞと寧よく追い出され

    
この頃食物買わないねえ?
飲み薬が多くて食えねえんだよ!

      
あんた、また引っ越しかい?!
他に行くとこねえからさ

    
お客さん、この頭の、何処を刈るんです?
いいから刈ってる真似をしな!

    
「ハイ!いずみさん、お熱測るね・・。」
「あのう・・。」「何に?」「それ、ボールペンです。」


年金が減り 代わりにいらねえ歳が増え

   
「おい!家建てたんだって!」「ああ、入ってくんな。
ポチもう少し横に寄ってやれよ。」「ウウウウ・・・・ワン!」

    
「あの太鼓、こんな真冬に、何処の祭りだい?」
「婆さん、ありゃゲームだよ。」「へんな名前の神社だねえ。」

    
「ねえ、ジイジイ。」「なんだい?」
「ぼくにも見せてよ。さっき言ってた火の車。」

    
若い時から寝る間も惜しみ、
やっと10億溜めたのに、
そのあくる日に死んじゃった


   〔 巷の噂 ー 便利なボタン 〕
   
「ねえ、お爺さん?」「何だい、婆さん。」
「今押した、〔極楽〕ってボタンは?」
「これ押しとくと、いざってえ時に、二人そろって、
このままで、極楽行けるんだよ。」
「へえ?車も便利になったもんだねえ・・・。」

   
    〔 巷の噂 ー アレアレ詐欺 〕 

「オレオレ・サギにあっちゃった。」「それにしちゃあ、ニコニコしてるじゃあないか。」「それがさあ、新米らしくてさあ。相手の言う通りに番号押すと、何処をどう間違えたのか知らねえが、おれの通帳に500万円振り込まれてたんだよ。」


    〔 巷の噂 - 結婚の条件 〕

「ねえ、佐紀ちゃん、この間の結婚の話、考えてくれた?」「答えはNO~!」「え~!ど、どうしてだめなの!?」「だって・・・だってあなた、ゲームに弱いんだもん!」

    
    〔 ドタキュンコンビ = 飲み過ぎて 〕
    
「あるいて・・も~、ある・・いても~、小・・舟の・・よう~に・・。」「おい、飲み過ぎたな~。」「わた~し・・は~、ゆれ~て・・。ゆれて・・あ・な・たの~・・。」「あっ!危ねえ!」、ドッボ~ン!!!「ど~ぶの・・なあか~・・・か。」 

    
    〔 江戸っ子爺さん = 蛍光灯知事〕   

「なあ、爺さん聴こえるかい?今度また知事が変わるんだって。」「それを待ってたんだよ。パッとしねえもんだからイライラしちゃってさ。」「そうかい?」「ああ、換えてくれりゃあ、ちったあ明るくなるだろうよ。暗いのはうっとうしくていけねえ。」「言うじゃねえか爺さん。」「それにバッチリと丸くおさめなきゃあならないから、難しいよ?」「そりゃあ、そうだろうねえ。」「それに長持ちするやつじゃあねえとなあ。すぐに消えるようなのは、またとっ換えなくちゃあならねえだろう?そんなのは願い下げでえ。」「その通り!」「じゃあ、これ。」「何だい?この銭にやあ。」「換えてくれるんだろう?おめえの頭の上の蛍光灯。前々から気になってたんだよ。チカチカしやがってさあ。」


   〔 江戸っ子爺さん = 社会貢献 〕 

「おい爺さん、野良猫集めて、何やってんだい?」「見た通りよ。ゆうべのサンマの骨砕いてこいつらに食わせてんのさ。いやあね、ほらこの前テレビに出てた、頭撃たれても生き返ったてえ何とか言う難しい名の外国の娘さん、偉いねえ!だから俺も少しは世の中の為につくそうと、そう思ってさ。」「スケール小せえ!」    
    
   
    〔 巷の噂 - 赤信号 〕 

「この頃さあ、信号を守らない奴が増えて、困っちゃうよなあ。この前も、もうちょっとでぶつかりそうになってさあ、肝をつぶしたよ~!」「あのさあ。俺思うんだけど、どうして青で進んで 、赤で止まらなくっちゃあいけないの?」「そりゃあ法律で、そう決まっちゃってるからさ。」「何とかその法律、変えてもらえないかなあ。」「ええ!?」「俺さあ、丑年のせいか、赤いもの見ると突進したくなっちゃって。」「危ねえ~!」


    〔 巷の噂 - おねだり 〕    
    
「ねえ、母ちゃん。アイスクリーム買ってくれよ。」「ダ~メ!」「なんでだよ、こんな世知辛い世の中じゃあ、甘いものでも食わなきゃあ、子供だって生きちゃあいけないよ?」「生意気言うんじゃないの。」「きのう買ったあの指輪、父ちゃん知ってるの?」「・・・・・・。」
「ハイ!ちょっとだけなめさせてあげる。」「いらないよ!」 


   〔 巷の噂 - パンカレー 〕
      
「俺、スゴイもの考えついちゃった!」「何だよ?」「パン・カレー。」「そんなもの、どこでも売ってるじゃあねえか。」「あのねそれは、カレー・パン俺が考えだしたのはパン・カレー。」「どこが違うんだよ。」「カレー・パンはパンの中にカレーが入ってるだろう?」「ああ。」「パン・カレーはカレーの中にパンが入ってるの!」「!?それどうやって食うんだい?」「そこなんだよ~。何かいいアイデアないかな?」「長生きしろ!」
   

(ここに書かれていることは、すべて何の意味も無い戯言、世迷い事であり、各位様、ご無礼の段、平にお許しあれ。
    ではまた、出来次第。筆者)



*これらの作品は完全なるフィクションであり、実際に存在する人名、地名そのほかの一切の事物とは、全く関係がありません。
                                               (筆者敬白)

コント&川柳集/ トン・カラ・シー

コント&川柳集/ トン・カラ・シー

  • 韻文詩
  • 短編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2014-01-21

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著作権法内での利用のみを許可します。

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