春の短歌
明け方の窓の辺よりて君と望むあかねの空にすずめなき交ふ
君と見る谷保天満の梅の花おしるこ一つふたりあたたむ
肌一枚隔てた僕らコーヒーを飲み交わしたり口論したり
校庭の桜こぼれる歩道橋他人のような思い出渡る
「生きるのがつらいあなたへ」生きるのがつらくない奴なんているのか
この道で毎朝すれ違う人と毎朝居場所を交換喪失
でも多分、君は笑わず冷めた目で「バカじゃないの」とつぶやくだろう
うちに来た初日に家出をしたマヤはうちで最後の眠りについた
たった五分あれば死ぬのは容易かろうあと四十年生きることより
僕たちはもつれた量子みたいには同じじゃないけどだから好きだよ
春の短歌