夏秋混雲/新作短歌
秋風を感じてそら見上げたら、なんと入道雲の上にイワシ雲が出ていてびっくりしました。
救急車 止まれば気になるまた一人
友逝きしかと 夕暮れの路地
細君に 友の安否を訊かんとすれば
先にわが身の体調問われ
作物に 水やる友の傍らで
初秋の風に空を見上げる
なんとまあ ほら見てみろよ夏雲の
上に流れるあのイワシ雲
夕暮れて 祭りばやしの響く中
名残の花火の音や かすかに
四つ足の 友いなくなりとぼとぼと
歩く背中に 哀愁の影
片言の 暮らしにくさを日本語で
語る母親 幼児の瞳
その毒を 恐れもせずに背を越える
山漆の木を除きし女よ
足無くば 暮らせぬためと無理をして
バイクを買えば その重きこと
この身をば 疎まれようと気にせぬが
老い行く先を 想えば哀し
🌰朝夕の涼しさに、今年もなんとか夏を乗り切れたと
喜んでいます。でも物価高にはうんざり、バイクの
高額な出費は、年金暮らしにはさらに大きな痛手でした。(いずみ)
夏秋混雲/新作短歌