冬の短歌

若き日の君にひかれて善光寺
変わる祈りの人も変わりぬ

去年(こぞ)の秋荒れし多摩川あらたまの
年の初めの日にぞきらめく

正月の外のベンチで爺一人
鳥と向き合い熱い茶を飲む

山ぎわの星さえ氷る冷たさに
しもばしらの花枯れた野に咲く

街灯にきらめくようなたむしばの
氷る莟をひとり見上げる

われが見て天地(あめつち)初めてあると思ふ
われもいつかは消ゆる白雪

冬の短歌

冬の短歌

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-11-28

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