心音

龍 佐秋

どんなに死を願っても
その心臓は動いてる。
ロープに首を掛ける瞬間も、
手首にカッター当てる時も、
その心臓は動いてる、
むしろ鼓動は速まっている。

さあ、手を出せ。
胸に当てれば感じるだろう、
己の体の宇宙の中の
闇の中の太陽のような
輝くばかりのその鼓動。

血を巡らす。
ただそれだけの単純なことを
正直にずっとやり続けている。

こいつが動いている限り、
生きている。
生きていられる。

心音

心音

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2020-10-18

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