せつな病

結局は刹那が幸か不幸かによって
人生を肯定したり否定するもので
あれやこれや何かと過去や未来に
大それた意味を持たせる程
現実と想像の境界線では
ふとした瞬間に
僕は僕であると言う自分自身は
この世界の誰よりも自信を失う

時たまに憧れた夢に縋って
少しだけ暇つぶしができるなら
死への恐怖は和らいでいく
時たまに愛した君に向かって
ひたすらに好きだよと言えるなら
生きていたいとも思うものだ

要は人はそんなもので
何人分もの意思を持ち知識を浮かべたなら
選択した進路を間違っているとも思う筈。
結局は刹那が幸か不幸かによって
人間は歓喜したり号泣したりするもので
右や左を何かと余所見してるうちに
気付けば苦しんで死んでいくだけ
考えてみても考えなくてもこの意識が途切れるなら
君はどうしたらいい
そうしていればいい

僕が憧れたものは
刹那だったのだろうか
一瞬で過ぎていく時に君は何を思う
君は何を思う

せつな病

せつな病

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-09-05

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