篝火のように燃えて、桜のように散ってやろう――と思って付けたペンネームが、今では私のお気に入り。
美術館で働きながら、ユーチューバーをやったり、小説を描いたりしております。
出版予定だった作品【世界の死角】がコロナ禍の影響もあって御破算となってしまい、
けれど作家としては発表の場が欲しかったので、ここで掲載しております。
時は2025年。後に厄災と呼ばれる規模で発生した首都直下型地震によって、家族を失ってしまった『ぼく』は、震災時のショックで『生の実感』を喪失してしまう。 震災から10年後、遺族として【トーキョー】を訪れていた彼は、ひょんなことから自身が被災した【ヨヨギ駅】の地下に降りていく。 ホームに佇むのは、真っ白な着物をまとった女性。そして瓦礫の山をすり抜けてくる電車――。 やがて『ぼく』は、忘れていた過去の出来事に次々と出会うことになる。 導き手たる着物女性と共に『ぼく』がたどり着く『終着点』とは――。