山中チカラ

大好きなまち、札幌とニューヨークが舞台の長編恋愛小説が書きたい…そう思いました。で、結局、前半を札幌のスタバを、後半をマンハッタンのスタバをハシゴしながら書きました。ここにアップして半年くらいしたら、勇気を出して自身の作品に向き合いたいと思います、もちろんどこぞのスタバで。

小説家になりたい、とはじめて思ったのは小学校高学年の頃でしょうか。以来、「書かざる大家」を40年ほど続けてきました。「書かざること山のごとし」の比喩表現の方がより正確かもしれません。でも、そんなレイジーな僕も、学生の頃に1度、そして、つい一昨年に1度の合計2度、小説雑誌の新人賞に応募した過去をもっています。いずれも出版社からの電話はついぞ鳴らず、両作品ともお蔵入りの憂き目に会いましたが、幸いにも時代が僕に追いついて来た! 気がつけば、ネット上で自作を自由に公開できる時代を迎えていました。果たして、この場が50を過ぎた僕のデビューの場に相応しいかはよく分かりません。ただ、載せないで後悔する人生より、載せて恥をかく人生を選択したい、そんな気持ちで今います。過去に2度住んでもなお憧憬やまないニューヨークと、引っ越してすでに10年以上の月日が経とうといているここ札幌の二都が舞台の恋愛小説です。設定の緩さやツジツマの甘さは否めませんが、そのゆるゆるとした時間をお愉しみ下さい。

良かったら、感想もよろしくお願いします。
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恋愛先生ニューヨークに帰る

長くニューヨークに暮らした投資銀行員の相川蓮生は、別れた妻リツコと娘エツコをマンハッタンのコンドミニアム「サヴォワ」に残したまま帰国。やがて札幌で国際金融を教える大学教授へと転身していた。 学生の誰彼からとなく「恋愛先生」と呼ばれる蓮生。主には蓮生の「おんぶ」と「抱っこ」にまつわる噂に由来する渾名であった。ひとつは、蓮生におんぶされると恋愛が成就する、というもの。その実、研修医の葉子は、自ら願い出たおんぶによって蓮生の現在の恋人に収まっていた。さらには、別れたい恋人の前で蓮生にお姫様抱っこされると腐れ縁が切れる、というもの。こちらの真偽のほどは未だ知れない。 帰国して10年、蓮生をニューヨークに繋ぎ止めるのは僅かに娘エツコとの国際電話だけだったが、今回ばかりは恋人の葉子を伴ってニューヨークを再訪することに躊躇のない蓮生。リツコが家に戻らない、とエツコが電話してきたのだった。

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