手を繋ぐ

 ちょうど九才程でしょうか。少年は、別の少年の手を握っていました。私はその繋ぎ方にただならぬ気配を感じ取ってしまった。私は片方の、これまた美貌の少年と目が合いました。そこには縋るような、離したくないような、特別の独占欲がありました。私は思いました。どうか、その気持ちを周囲に、社会に、否定され、砕かれたとしても、大切に持ち続けて欲しいと。貴方は間違っていないと。図々しくも幼き心の平穏無事を祈らずにはいられませんでした。

手を繋ぐ

手を繋ぐ

  • 小説
  • 掌編
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-06-08

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