プロジェクター月

夜に巨大な三日月がプロジェクターで映された。生きてもいないくせによく喋る月だった。窓に入り切らないデカい顔はクレーターだらけ。だが皆、月を親しんだ。悪魔みたいな目玉をギラギラさせて、そのくせ光は馬鹿みたいに優しかった。皆光に包まれたかった。それがプロジェクターのものだとしてもな。

プロジェクター月

プロジェクター月

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-06-08

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