この気持ちを言うなれば③の番外編


キミに彼女が出来て、数週間後。



ずっと仲の良い友達だと思ってた人から告白された。


私がキミのこと好きだって…知ってる人。


それなのに私に『好きだ、付き合ってほしい』って、言ってきたんだ。


『…きっと私は友達としてしか見れないよ?』


その問い掛けを覚悟していたのか友達は


『好きな人がいるのは知ってる。でも、どうしても気持ちを伝えたかった。駄目かも知れないのも分かってるから』


真剣な言葉に目を合わせれなかった。
この人は…私と同じ状況なんだ。
ただ私と違ってちゃんと好きな人に気持ちを伝える勇気を持ってた。




何も言えなかった私は…臆病、だな…。




『ありがとう。凄く…本当に嬉しいよ』





私は…卑怯だ。


キミの事が好きなのにね


キミを思い出す度に悲しみが込み上げるの


キミに気持ちを伝える術がなくて苦しい


キミが私以外の誰かといるのが辛いよ


この悲しみが、苦しみが、辛さが


私の胸を、心を傷つけるの


この痛みを、傷を塞ぎたくて


『……お試しでいいなら、付き合ってもいいよ』



私は、弱い人間だった。
そして…私の心は醜い。


これ以上傷付くのが怖かった。

もう、涙を流したくなかった。

私の心はボロボロで


でも、そんな私に

キミは気付いてくれなくて

振り向いてくれないで



終わりにしたかった


楽になりたかった



誰でも良いから、抱きしめて欲しかった



キミじゃなくて良いから、愛されたかった



もう……疲れちゃったよ


『私ね、恋人出来たんだ』


…これで……いいよね…



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友達はキミと違って

私をいつも気にかけてくれた。
強がりな私を甘やかしてくれた。
泣き虫な私の傍にいてくれた。
私を大切にしてくれた。

私という人間を愛してくれた。

キミにして欲しかった全てをくれた。





それから私は恋人となった友達と沢山の時を過ごした。
時間を見つけては一緒に色々な所に出掛けていっぱい思い出を作った。



キミと過ごした時間を忘れる為に

キミを好きな気持ちを忘れる為に

キミの温もりも匂いも忘れる為に



それなのに、キミは私から消える事がなく

私の中に居続けた。

キミを思い出しては泣いた。

後悔した。


私はキミがいいの。


友達じゃ、駄目なの。



一緒に過ごしたいのはキミなの。



キミじゃなきゃ…駄目なの。



ごめん…ごめんね、ごめんなさい



私、

臆病だけど、卑怯だけど、醜いけど

弱い人間だけど

空回りしてばっかだけど


逃げてばかりだけど


結局キミが忘れれなくて


キミが…まだ、好きなんです




この気持ちを言うなれば



追悔


私は…どうすれば良かったの……

この気持ちを言うなれば③の番外編

この気持ちを言うなれば③の番外編

ノンフィクション第3弾の番外編。『追悔』編。私がとったキミを忘れる為の選択。

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-11-09

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