少女が泣いた。泉が岩の割れ目から湧き出るかの如く涙は溢れた。だが僕は何もしていない。何もしていない、よな。周りの目は冷たかった。 集まる非難と憐憫。「謝れ」無言の圧。だが謝ったが最後、僕は己の無実を手放してしまう。悪意が煙の様に足元に渦巻いていた。涙の真犯人は、静かにほくそ笑む。

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-06-08

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