食卓を囲む

楽しい食卓など縁遠い人生だった。彼女と共に飯を食う時間すら惜しいのだが、これは最初に約束した取り決めの一つで、仕方なく守っている。彼女はどうでもいい話をしながら忙しない。俺は黙って箸を進めた。ふと、彼女を見ると口一杯に頬張っている。「旨いのか」口から出た言葉は意外と軽々しかった。

食卓を囲む

食卓を囲む

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-06-08

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