海豚だった

昔から海豚の鳴き声はどこか懐かしさを想起させた。ある日、ある飛行機事故で僕は海に落ちた。死ぬと思った。するとあの懐かしい声。海中で泡が動く音がし、そっと目を開けた。見にくい。不思議と息苦しさは無く、僕の両手はヒレになっていた。仲間が僕を呼ぶ。超音波に乗せて、共鳴腔から音を返した。

海豚だった

海豚だった

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-06-08

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