殺し合い

生きるか死ぬかの興奮は鮮烈で、そういうものを求めていたんだろう。彼女のヒールが喉仏を刺す。殺される。そう思ったら、生きたさに、己の現金さに絶望し、それでも痛みと苦しさから逃れようと必死に浅い呼吸を繰り返した。お互い顔も名前も知らない。どちらかが生き残るだけだ。女の細い首を絞めた。

殺し合い

殺し合い

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-06-08

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