雨をのむ

夜中、目覚めると雨が降っていた。雨粒のたくさん入った箱をひっくり返したようだった。激しさを伴ってアスファルトに転がる雨粒が見えた。外は湿っているだろうに、僕は喉が渇いていた。台所で冷たい水を飲む。その音は垂直に降る雨音と重なった。漸く体内に潤いが戻り、僕はカエルのように息をした。

雨をのむ

雨をのむ

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-06-08

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