移り気

人の心臓が欲しい。そうは言っても、手に入れた途端興味をなくしてしまうのが常だった。人の心臓は触れると汚くなるからだ。傍から見るとステンドグラスの様な美しい輝きも底から汚濁に塗れていく。興醒めである。従って今日も穢れた心臓に囲まれながら輝く心臓を探し、数多の胸中を射ているのだった。

移り気

移り気

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-06-08

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