この気持ちを言うなれば③



あの日以来

私はキミに一度も会ってない。

でも…


友達と遊んでいても


お仕事をしていても


ご飯を食べている時も


お風呂に入ってる時も


夜、一人で眠る時も、ね


キミの顔が浮かんでは消えるの


私は、この気持ちを…なんて言えばいいのか解らないまま

今日を生きてるよ


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時は過ぎ

4月の始まり。

俗にエイプリルフールと呼ばれる嘘をついてもいい日に私は賭けに出た。


ずっと言えなかった言葉を、伝えよう。


ただ
私という人間は、臆病で弱くて、また傷付くのが怖くて…今日という特別な日に伝えることになってしまった。

もし、フラれても…冗談だよって言える。


『…私さ、本当はキミのことが好きなの』


短い文章なのにメールを何度も見返した。

色々な思いが詰まったコレは、キミはどんな事を考えながら読んでくれるのかな。

期待と不安

仕事中に何度も携帯のランプが点滅してないかとか

キミからの返事は来てないかなとか

そわそわしながら待ってた。



でも意外と、返信は早かった。



『………ごめん』





重たいよ、馬鹿


『今日はエイプリルフールなの分かってるの?さっきのは冗談に決まってるじゃないw』


明るく、出来るだけ悟られないように…メールを返した。


『実は最近体調が良くなくて…肌は荒れるし、変な咳は出るし、熱は続くしで…先日病院に行ったら結核かもしれないって言われました。だから、今余裕ないです。気持ちに答えられなくてごめんなさい』


キミが…結核…?

なんで、なんで!
やだよ!お願い、嘘だよね?!

気持ちだけ焦って、キミに掛ける言葉が見つからない。

キミを失うのが、怖いの

怖いんだよ…居なくならないで



そんな素直な気持ちを伝えれるわけがなかった。

『…そう、ですか。ごめんなさい、変なこと言ってしまって』

キミからのメールが初めて怖いと感じた。
いつも、どんな時でもキミからメールがくると馬鹿みたいに喜んでた私がだよ。


このまま

さよなら、とかさ…言わないでね?




『エイプリルフールですよw』



殴っていいかな、キミのこと。




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長い間

会わないで、分かったことがあるんだ。


私はどうしようもないくらい



キミが、好き



それは覆せない事実

褪せることのない想い



でも


これは、


これはね


キミには、言わない、言えない

本当は

キミの隣にいたい

キミと笑ってたい

キミと生きたいよ


もし私の気持ちを伝えて、キミに拒絶されたら


私の隣にキミはいないの

私と笑うキミはいないの

私が望んだ世界はないの


そんなの…嫌なんだよ

キミが居なくなるなら、この気持ちは伝えない。

私の胸にしまい込んで

この気持ちを大事に、するんだ






うそ


お願い、気付いて


私、キミが好きなの


気のあう友達なんて嫌なんだよ


苦しいよ


このままなんて、嫌だよ




この気持ちを言うなれば



心酔




キミが居れば、何も要らないよ

この気持ちを言うなれば③

この気持ちを言うなれば③

ノンフィクション第3弾です。『心酔』編。恋は盲目と言う。強ち間違いではない。 だって、それくらい私はキミしか見えなかった。

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-11-08

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