祖母という人

兄が十の時、祖母の葬式で泣いた。兄が悲しみに暮れ、人前で泣いたのは後にも先にもあの時だけだ。私はまだ八つで、死というものについて理解していなかった。兄は言葉が遅れていた。故に、絵を描き祖母への弔いの気持ちを示した。私達に死を教えてくれた祖母は、最期まで本当に面倒見の良い人だった。

祖母という人

祖母という人

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-06-08

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