マディソン

彼女は鎖骨の真ん中辺りに、ピアスをしている。私は仕事柄、空けたくても空けられない。彼女の細くて長い指が、私の首の下を撫でた。「空けるといいのに」彼女の声は高いのに、低音で、落ち着いた。銜えた煙草から紫煙を燻らす彼女は自由だった。鎖骨のピアスは、私には真似出来なくて、羨ましかった。

マディソン

マディソン

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-06-08

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