月の兎

月に兎はいない。元はあの恒星にいたが、地球に越してきた。人参に恋をしたのだ。月の土は人参に合わず、地球に根付くため、兎は故郷を捨てた。地球で増えた兎は茶褐色やら黒色のやらがいるが、月の兎は人参ばかり見つめていたから目が朱色で、月の光の中にいたから毛並みは雪のように真っ白なんだと。

月の兎

月の兎

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-06-08

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