悪循環

誰か壊して―と思うことがある。体が重たくて、自由がきかない日には、それこそ物でも扱うかのように乱暴に、痛めつけて欲しかった。ただ、そういう時の私はまったく痛みが無い。視界に映る景色が、矢継ぎ早に変わるばかりである。フラッシュバックするのは母の暴力と父の怒声で、救いようもなかった。

悪循環

悪循環

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-06-08

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