グッドピクチャー
ショートサイズのコーラを持ってハンバーガー屋の二階に上がる。居心地の良さそうな場所を探して空いてるフロアを歩いていると、駅前通りが見渡せる窓辺のカウンター席に知り合いの背中をみつけたから、よく考えずにコーラを置いた。
「お」
フライドポテトをつまみながら音楽を聴いていた曽根は目を向けて僕を認めると、イヤホンを耳から抜いた。
「おー」
僕はマンハッタンポーテージのショルダーバッグをカウンターに立てて置き、背の高いスツールに腰を下ろした。
「なにしてんの」
「のど渇いた」
僕はカップにストローを差して、コーラを飲んだ。
「ポテト食っていいよ」
「ん」
僕は曽根がトレイにぶちまけたフライドポテトを二本まとめてつまんで食べた。まだそんなに冷たくなってなかった。
「今日彼氏は?」
「学校じゃない? 普通に考えて」
「そか」
僕は指に付いたポテトの油でカップが汚れないよう気をつけながらコーラをもう一口飲んだ。
曽根が口をあんまり開けずにあくびをした。
太陽の光で窓枠が光っていた。
「ここあったかいから眠くなる」
「あー」
僕はポテトをもう二本食べて、カウンターに肘をついてコーラも飲んだ。
「全部食っていいよ」
曽根はトレイを僕に押しつけるように滑らせた。コーラのカップにトレイの縁がぶつかって倒れたけど、中身がこぼれ始める前に立て直した。
「腹減ってんの?」
曽根は紙ナプキンで指を拭きながら言った。
「んー」
僕はまたポテトを二本食べた。
「そうでもない」
「あ、そう」
「うん」
僕はポテトを食べ終えると指を舐めて、それから紙ナプキンで拭いた。
曽根はスツールの座面を両手で持つようにして握って、背中を反らして外を見ていた。
「今頃みんな必死こいて勉強してるんだなあって思うと、なんか申し訳なくなるな」
「そう?」
「ううん、うそ」
僕はコーラを飲んだ。曽根もストローをくわえたけど、中身はほとんど空っぽなのかズズズっという音がした。
「コーラ飲む?」
「炭酸苦手」
僕は差し出したカップを手元に戻したついでにもう一口飲んだ。
曽根は今度は大口を開けて目も閉じながらあくびをした。
「なんか昨日十時間くらい寝たのに、すげー眠い」
「天気いいから」
「うん」
「ゲーセン行くけど行く?」
「んー、とりあえず出る」
僕と曽根はカップとトレーを片付けて店を出た。
「久我と二人で外にいるの変な感じ」
ハンバーガー屋の前の横断歩道を渡っているときに曽根が言った。
僕は隣を一度見て、曽根と目が合ったけど、特に言うことが思いつかなかったので何も言わずにまた前を見た。僕たちの前にはスーツ姿の男が二人同じような鞄を持って歩いていた。その二人は歩くのが速くて、僕たちはたちまち引き離されてしまった。
「ゲーセンってどこ?」
「そっち行ったアーケードのとこ。平日昼間に制服でいても補導されない」
曽根は目的のゲームセンターを知っているようだった。黒いカーディガンのポケットに手を入れて、軽そうなリュックを背負って気怠そうに歩いている。
その次の赤信号で曽根はつうっと空を見上げた。くちびるをうすく開いて少し笑うような顔をして、でも一瞬で眉を寄せた。
「空が狭い」
「なに?」
「空が狭い。ビルばっかりで」
僕も曽根と同じように空を見上げた。そこには雲の少ない秋晴れの鮮やかな青空が広がっていると思っていたけど、実際にはビルや街路樹や信号、標識で切断されたぶつ切りの青があるだけだった。無意識レベルの期待を裏切られた気分になった。
「なんか、上見たら空しかないってゆう感じの風景見たくなった」
信号が青に変わっても、曽根は足を踏み出さなかった。
「久我、今日時間ある?」
「学校サボってるんだからそりゃありますけど」
「じゃあゲーセンやめて、今日は空を見に行こうか」
曽根は指を一本立てて空を指差した。
「広い空が見たい。ついでに海もあればなおいい」
「いいけど」
僕と曽根は信号を渡らずに駅へ戻った。
「てか海って結構遠くない?」
来た道を引き返しながら僕と曽根は話をした。
「電車いくらくらい?」
「たぶん往復四千くらい」
「久我、電車代足りてる?」
「ない。曽根が払って」
「私もねーし」
「金かかるなら行かない」
「じゃあどうすんだよ」
「知らんわ」
またハンバーガー屋の前まで戻ってきた。話し合う余地はあるけどもう一度店に入り直すのはもったいないので、とりあえずガードレールに腰を下ろした。財布の中身を出しあってみると、二人合わせて三千円も持ってないことが判明した。
「なんで私らこんなに金持ってないんだよ」
曽根が電柱を靴底で蹴った。
「バイトしてないから」
「うーんー」
曽根はあごを爪の先でつついていた。
「久我、ヒッチハイクってやったことある?」
「あるわけないじゃん」
「私あるよ」
「マジですか」
「やってみる?」
「別にいいけど」
僕と曽根は近くのスーパーでダンボール紙を調達し、百円ショップで黒マジックを一本買い、ダンボールにでっかく『うみ-SEA-』と書いた。それを持って海へと続くバイパス沿いの歩道に立ち、二人で両側をやる気なさそうに持っていたら、何故か途中でロードバイクに乗った外国人に写真を撮られた。
一時間くらいそうしていると、軽自動車が一台止まった。運転席に茶髪のお姉さんが一人で乗っているだけだった。これからちょうど海の町に行くところだとお姉さんは言うので、二つ返事で乗せてもらうことにした。曽根が助手席に座り、僕はバックシートに乗り込んだ。
お姉さんの車の中はミルク系の甘いにおいがして、洋楽のヒップホップが流れていた。
「あんたたち、かけおちとかしてんの?」
お姉さんが曽根に尋ね、次いでミラー越しに僕を見た。
曽根は声を出して笑った。
「全然。クラスがいっしょなだけだし」
「付き合ってるわけでもないんだ」
「うん。私は他に彼氏いるし、久我も彼女いるし。今日はたまたま学校サボってたらハンバーガー屋で会って、なんか流れで海行くことになった」
「ふうん。いいね、そういうの。青春っぽくて」
「お姉さんはなんで海行くの?」
「私は、あれだよ、昔の彼氏の顔見に行くんだ」
「へえ」
曽根は一度笑った顔で後部座席の僕を見た。その意図はよくわからなかった。
「いいっすね、そういうの」
三十分くらい走るとファミレスに寄って、お姉さんが昼食をおごってくれた。それから車に乗ってしばらくすると曽根は勝手に寝てしまって、お姉さんは僕と話をしながら安全に運転をした。海のある町に着いたのはもう夕方で、そのときには曽根も目を覚ましていた。
「せっかくだし、付き合ってもらおうかな」
お姉さんは寺の駐車場に車を入れた。
「元カレって坊さん?」
曽根はカーディガンに手を突っ込んで、背中を丸めて寒そうにしている。
「こっち」
お姉さんは墓地を進み、黒っぽい墓石の前で足を止めた。
僕と曽根はしゃがんで線香を立てるお姉さんの後ろに並んで、それぞれ別のことを考えていた。
「元カレ?」
曽根が墓石を指差しそうになって、慌てて手を広げていた。
「うん」
お姉さんは膝に手を置いて立ち上がり、思いっきり墓石を指差した。
「バイクでトラックに突っ込んだ馬鹿の墓。享年十七歳」
「十七」
「いまの私たちと一緒」
お姉さんはニッと歯を見せて笑った。
「だからいいかと思って」
お姉さんは墓石に向き直り、目を閉じて手を合わせた。
僕と曽根もお姉さんの真似をした。
そろそろいいかなと目を開けると曽根とお姉さんがまだ手を合わせていたので、僕はもう一度まぶたを下ろして、知らない誰かに祈りを捧げた。
その次に目を開けたときにはお姉さんは腰に手を当てて妙におだやかな顔をしていた。菩薩のようだと思った。でも曽根がまだ目を閉じて拝んでいたのが少し意外で、そうしている曽根を見た僕が曽根の髪を撫でてみたいとかちょっとだけ思ったことも同じくらい意外だった。
「ここの道をまっすぐ行くと海に出るから」
お姉さんは今晩実家に泊まるらしい。
「明日土曜日だし、なんなら泊まってってもいいんだけど?」
「んー、ちょっと考える」
「そ。なんか困ったら連絡して」
お姉さんは電話番号とアドレスを書いたメモを曽根に渡して去っていった。
「では、行くとしますか」
曽根はリュックを背負いなおした。
「はいよ」
車が通ると縦に並ばないとやり過ごせないくらいの細い道を十五分ほど歩いてようやく海に着いた。
「おお、広い、広い」
曽根は防波堤に両手をついて、のぞき込むように海を眺めた。
ひとしきり潮の香りを吸い込むと、今度は高さ一メートルちょっとある防波堤によじ上って両手を広げた。
僕も防波堤に上がって腰を下ろした。
「あー、これ。これが見たかったんだよ」
曽根はあごをのけ反らせて、気持ちよさそうに立ったままで空を見ている。僕も同じようにしてみたけど視界の半分は曽根だったので、仕方なく立ち上がった。見上げると目に映るのは隅まで暮れかけた紫のグラデーションで、昼前に地元の交差点で見たのとは別物みたいだった。
なかなかきれいだなと思いながら眺めていると、曽根に額を叩かれた。
「立つな、邪魔」
邪魔と言っておきながら、曽根は両手をだらりとぶら下げて防波堤に寝転んだ。
僕と曽根は足の裏をくっつけて寝そべって、沈む太陽や白い月や明るい金星なんかを長く見ていた。犬を連れた女子中学生が僕と曽根を変にまぶしそうな目で見ていったのが不思議に誇らしかった。
「久我」
二人分の身長の先から曽根が言う。
「お姉さんが私と久我を元カレの墓に連れてったのってどういう意味だったと思う?」
「んー、わかんね」
僕は頭の上を飛んでいるカラスに糞を落とされたら嫌だなあと思っていた。
「十七歳で死んだ彼氏とその頃のお姉さんと私と久我をリンクさせてみたかったのかな」
「そうかも」
「私も久我が死んだらそんな感じで墓参りすんのかな。無理くさいけど」
「……いや、普通できるんじゃね」
「ん? ああ」
曽根は背中の後ろに手をついて上半身を起こした。
「間違えた。久我は私の彼氏じゃなかった」
「うん」
「彼氏でもないのに付き合ってくれてありがとう。今日はおもしろかったよ」
「どうせやることなかったし。それよりこれからどうする?」
「んー、やっぱりお姉さんち泊めてもらおっか。なんか寒くなってきたし、今日はもう移動するのめんどい」
「電車代も足りないしなあ」
「ああそっか」
曽根がお姉さんにメールするとすぐに車で来てくれて、お姉さんの両親も僕と曽根を快く迎え入れてくれた。夕食をいただき、風呂にも入り、僕と曽根はお姉さんの弟の部屋で寝ることになった。お姉さんの弟は県外の大学に通っていて、要するにそこが唯一の空き部屋だった。
部屋に入るとシングルベッドに枕が二つ並んでいた。
「隣の部屋は私だから、遠慮なくやっていいからね」
お姉さんはにこにこして部屋を出て行った。
「だって。せっかくだしセックスする?」
「っても壁薄そうだしなあ」
「あっそ。すげー眠いから先に寝る」
お姉さんに借りたタンクトップとジャージを着て、曽根は乾いていない髪のままでベッドに入った。
僕はまだ眠くなかったので、とりあえず居間でテレビを見ることにした。金曜ロードショー『チャーリーズ・エンジェル』を見ていたのだけど、風呂から出てきたお姉さんの父親に誘われて将棋を指した。十一時過ぎに洗面所で歯を磨いた。
部屋に戻ると電気がついていて曽根もまだ寝てなくて、ベッドに膝を立てて座ってスマホをいじっていた。
「彼氏?」
「結構やばいことになった」
「なにが」
曽根はスマホの画面を僕に向けた。そこには『うみ-SEA-』と書かれたダンボールを持つ僕と曽根が映されていた。
「昼間の外人が私と久我の写真拡散しやがった。そしてそれを彼氏が知った」
「なにそれ」
「しかもなんか彼氏怒ってる。別れるかも」
僕はバッグに入れっぱなしにしていた携帯を取り出した。
「あ、僕も彼女からメール着てる。普通の『いま何してる?』だけど」
「あやしいね。かまかけてるくさい。彼女はこういうの気にするタイプ?」
「かなりする。そっちは?」
「うちも。なんでだろ。私だったら彼氏が他の女の子と寝てようがやってようが気にしないけど」
「それは気にしろよ」
「でもなんか、一緒にいないときまで私のこと考えててほしくない」
「あっそ。で、どうする?」
「とりあえず放置。眠いし考えるのめんどくさい」
「じゃあ僕も放っとく」
僕は電気を消してベッドに入った。曽根ももぞもぞ入ってきた。僕は枕に頭を乗せたけど、曽根が頭までもぐり込むから、服の中に曽根を入れているような気分になった。
「てゆうかあの外人何者?」
「なんかそこそこ有名な冒険家らしい。しかしこれ良い写真だな」
布団の中で曽根が言った。僕も毛布にもぐり込んだ。スマホ液晶のバックライトで曽根のすっぴんから首回りの肌のきめまでくっきり見えた。僕と曽根の写真には『ラブリーボーイ&ガール』みたいな恥ずかしいキャプションが付けられていた。
「ラブリー」
前髪がふれあう距離から曽根が僕を見た。
「これでお互い別れることになったら、久我、私と付き合う?」
「そうならないことを祈る」
曽根はスマホを布団から出して、枕の脇に寄せた。
「ちなみに明日六時にアラーム鳴るから」
「はえーよ、何すんの」
「もう一回海歩こうぜ」
でも結局六時には起きなかった。どっちがアラームを止めたのかわからないけど、九時にお姉さんが起こしに来るまでしっかりと寝てしまった。
海に行ったのはもう十一時だったけど、早朝でも昼でも海辺を歩くのが気持ちいいのには変わりはなかった。
「今日も天気いいなー」
リュックを背負った曽根は両手を腰の後ろに組んでぶらぶらと歩いている。
僕は拾った流木で白い砂に線を引きながら曽根の後ろを歩いていた。
歩きながら今日はどうするかの話をした。
「有り金で行けるとこまで行って、あとはどっちかの親呼ぼうか」
「んー、明日も日曜だし誰かの家にもう一泊くらいしてってもいいかもな気がしてるんだけど」
「僕はもう結構帰りたくなってるんだけど」
「いま帰るとめんどくさいぜー?」
「そうだけど、これ以上曽根といるとマジで曽根と付き合うしかなくなりそう」
「んー。……お、十一月なのに泳いでるやつがいる」
曽根が指差した方を見ると、波打ち際で側転しながら何か叫んでる危険人物がいた。
「てかあいつ全裸じゃね?」
「てかあいつ昨日の外人じゃん」
そういえばスタンドのない自転車が防波堤に立てかけられていたのを見た。
僕と曽根は叫ぶ外人の方に歩いて行った。
金色の胸毛を生やした金髪の外国人が笑って手を振りながら僕たちの方に走ってきた。
「でけえ、なんだあれ」
「でろーんってしてる」
「おいてめえ、マイコー」
「あいつマイケルっていうの?」
「マイケル・スティーブンスって書いてあった」
「ハロー、ラブリーボーイ&ラブリーガール。シーに来れてよかったですネ」
「うっせーよハゲ外人。ユーのピクチャーがファッキンスキャンダル巻き起こしたせいでマイボーイフレンドとヒズガールフレンドとのコネクションがデンジャラス修羅場なんだけど、一体このピリオドどう付けてくれんの?」
「ワッツ?」
曽根とマイケルは困った顔で僕を見た。
「英語苦手。久我なんか言ってやって」
僕は携帯を開いてマイケルに見せた。
「グッドピクチャー、テンキュー」
「ヨーウェルカーム」
マイケルは濡れた手で僕の肩をバンバン叩いて親愛と歓喜を表現した。
曽根が砂塵を巻き上げて、僕のふくらはぎを蹴った。
「何がテンキューだよ。てかなんで待ち受けにしてんだよ。お前実は結構気に入ってるだろ。彼女に見られたらマジ終わんぞ」
僕は毒づく曽根に舌打ちをして、咳払いを一発挟んでマイケルに向き直った。
「ユーアーグッドマン。ユーハブビッグディック。バットウィーハブファッキンプロブレム。マニープリーズ」
「ワッツ?」
「マニーマニー。アバウトテンタウザンドイェンプリーズ」
「イフノーマニー、ウィーキルユアファッキンディック」
曽根が流木を両手で持ち、マイケルの下腹部を下から突き上げる仕草をした。マイケルは恐竜並みの陰茎を萎縮させて青くなった。
「アンドアイコーリングザポリスステーション。ユーアー猥褻物陳列罪でウォンテッド」
僕は携帯を耳に当てながら言った。
「プリーズマニー、イチマンイェン」
「オー、ファッキンクレイジーボーイ&ガール」
マイケルはバックパックから一万円札を取り出して僕に押しつけ、下半身を振り回しながら防波堤を乗り越えていった。
「おお、金が手に入ったぞ」
僕は端が濡れた一万円札を太陽に透かしてみた。偽造紙幣だと疑っていたわけではなく、ただ心情的にそうしたかっただけだ。
現に渡すと曽根も僕と同じようにした。
「すげー、私いま生まれて初めて自力で金稼いだよ。ちょっと感動」
「僕も。とりあえずこれで帰れるな」
「あー、帰るのか」
駅でどこまでの切符を買うかで一悶着あったけど、僕と曽根はかけおちしているわけでも家出をしているわけでもないので、地元までの切符とパンと飲み物を買って急行に乗った。
僕たちはまた最初のハンバーガー屋に戻ってきた。
チキンナゲットを食べながら、残った金を半分に分けた。
「彼氏と話すのめんどくせー」
曽根がカウンターに突っ伏した。
「まあ、なるようになりますわ」
僕はコーラをストローで飲んだ。
「久我、うちの彼氏に殴られるかもよ」
「殴ったら傷害罪で訴えるって言っといて」
「私も久我の彼女に刺されるかも」
「それについては夜道に気をつけろとしか言えん」
曽根とはハンバーガー屋の前で別れた。
一人になった赤信号で携帯を開いてみる。彼女にメールを送るつもりだったけど、マイケルが撮った写真を見ただけでポケットに戻した。
なんとなく仰いだ空は、傾きかけた日射しが強くて片目でしか見ていられない。相変わらずのぶつ切りの青だった。
寒くて、来週からはコートを着て学校に行こうと思った。
僕の隣に曽根が並んだ。
「ゲーセン行くけど行く?」
「行く」
信号が変わった。
グッドピクチャー