Volleyball

先輩は中衛。僕はその真後ろ。気を抜く一瞬の隙もない。ボールは軽い音と共に、アーチ状で跳ね回る。一回、二回。先輩がステップに乗る。両脚で蹴って飛び、踵が腿の裏に付きそうなほど曲げ、渾身のアタック。僕は、その時ばかりは、一瞬目を奪われた。捲れたシャツから覗く背筋が、嫌に官能的だった。

Volleyball

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  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-06-08

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