半身浴

久しぶりに湯船に浸かる。変に明るい淡い橙色の灯りが、この空間の古臭ささを演出していた。いつも、43度位の少し熱めの湯で、半分程溜める。爪先からそっと中に入ると熱さが脚先を昇ってきた。気付くと深い息を吐いている。湯船の中は狭い水槽の様で、温かい水とは古くからの付き合いの様な気がした。

半身浴

半身浴

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-06-08

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