大言壮語

小さな村に突如現れた女は自ら画家だと言った。「描きたい時に描く」と村人に語り、全く絵を描かなかった。王室専属の画家だった様で食事や寝床も用意させた。村人が絵を見ることは一度もなかった。何十年か後、女が死ぬ間際にようやく絵を描いた。だが、ただ黒く塗り潰されたそれは絵と呼べなかった。

大言壮語

大言壮語

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-06-08

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