標本

美しいな、宝石は。羨んだのは昆虫でした。彼は自分のくすんだ体の色が不愉快でたまりません。愛されたい。美しくなれば愛される。懸命に進化した昆虫は、文字通り美しい体を手に入れました。光沢のある虹色、翡翠、赤みの橙、群青、半透明の翅。そうして彼は望み通り、箱の中で末永く愛でられました。

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  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-06-08

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