ダリア

深紅の花弁を鱗の様に広げ、今にも頭が落ちそうな程盛りを迎えた華たちは見る人間を惹きつけ、時には寄り添い、熱狂させ、また時には慰めた。だが魅力に駆られた人間が群がり、土の根の上を踏みつけて行く。華を折り、摘んで、花弁を毟る。繊細な生き物は原形すら留めないまま死んでいくばかりだった。

ダリア

ダリア

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-06-08

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