顕微鏡かしら

高級ホテルの最上階を男が貸切った。女に夜景をプレゼントしたらしい。成程、息を呑む様な絶景である。男は誇らしげにワインを煽った。女は縦横に広がる分厚いガラスから、街を見下ろした。「毛細血管の様な道路を、これまた赤血球の様な車が行き来している。あんまり美しくないわね」女は医者だった。

顕微鏡かしら

顕微鏡かしら

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-06-08

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